需給データ

過去5年間の世界の需給推移

2013年
供給
鉱山生産 3,076
中古金スクラップ 1,303
正味生産者ヘッジ -39
供給合計量
(1)
4,340
需要
宝飾品 2,726
工業加工用途 428
公的部門購入量 409
現物金投資 1,871
需要合計量
(2)
5,434
現物需給バランス
(3)={(1)-(2)}
-1094
ETF増減
(4)
-879
その他増減
(5)
-98
正味需要合計量
(6)={(2)+(4)+(5)}
4,457
正味需給バランス
(1)-(6)
-117
金価格平均 ($/toz)
1,411.23
2014年
供給
鉱山生産 3,180
中古金スクラップ 1,159
正味生産者ヘッジ 108
供給合計量
(1)
4,446
需要
宝飾品 2,559
工業加工用途 411
公的部門購入量 466
現物金投資 1,162
需要合計量
(2)
4,598
現物需給バランス
(3)={(1)-(2)}
-151
ETF増減
(4)
-155
その他増減
(5)
1
正味需要合計量
(6)={(2)+(4)+(5)}
4,444
正味需給バランス
(1)-(6)
2
金価格平均 ($/toz)
1,266.40
2015年
供給
鉱山生産 3,222
中古金スクラップ 1,180
正味生産者ヘッジ 21
供給合計量
(1)
4,422
需要
宝飾品 2,464
工業加工用途 376
公的部門購入量 443
現物金投資 1,160
需要合計量
(2)
4,442
現物需給バランス
(3)={(1)-(2)}
-20
ETF増減
(4)
-117
その他増減
(5)
-48
正味需要合計量
(6)={(2)+(4)+(5)}
4,277
正味需給バランス
(1)-(6)
145
金価格平均 ($/toz)
1,160.06
2016年
供給
鉱山生産 3,251
中古金スクラップ 1,306
正味生産者ヘッジ 32
供給合計量
(1)
4,590
需要
宝飾品 1,953
工業加工用途 366
公的部門購入量 269
現物金投資 1,043
需要合計量
(2)
3,630
現物需給バランス
(3)={(1)-(2)}
959
ETF増減
(4)
539
その他増減
(5)
86
正味需要合計量
(6)={(2)+(4)+(5)}
4,255
正味需給バランス
(1)-(6)
335
金価格平均 ($/toz)
1,250.80
2017年
供給
鉱山生産 3,247
中古金スクラップ 1,210
正味生産者ヘッジ -41
供給合計量
(1)
4,415
需要
宝飾品 2,214
工業加工用途 380
公的部門購入量 366
現物金投資 1,028
需要合計量
(2)
3,988
現物需給バランス
(3)={(1)-(2)}
427
ETF増減
(4)
177
その他増減
(5)
0
正味需要合計量
(6)={(2)+(4)+(5)}
4,165
正味需給バランス
(1)-(6)
250
金価格平均 ($/toz)
1,257.15
  • ※データ出典:トムソン・ロイターGFMS社「Gold Survey 2018」
  • ※各項目を四捨五入しているため合計と一致しない場合があります。

供給サイドの動向について

■ 2017年の供給

  • ≪供給量の動向≫
  • ・2017年の総供給量は、前年比▲175t(▲3.8%)の4,415tとなった。
  • ・内、鉱山生産量は前年比▲4tの3,247tとなりほぼ横ばい。2017年主要生産5か国は以下のとおり。
    2016年に5位であったインドネシアが小規模金採掘及び一部銅金鉱山における生産減により7位に下落し、カナダが5位になった。
1位       中国 426.1t
2位 オーストラリア 295.0t
3位      ロシア 270.7t
4位       米国 230.0t
5位      カナダ 175.8t
  • ・中古金スクラップは前年比▲96tの1,210t。安定したドル建て金価格とスクラップ発生国通貨高が相まって現地通貨建て金価格の上値を抑えたことでスクラップの荷動きが低調となった。
  • ・正味生産者ヘッジは前年比▲73tの▲41t(買い越し)となった。

  • ≪生産コストの動向≫
  • ・トータルキャッシュコスト(TCC:主に金鉱で発生する生産コスト)及びオールインサステイニングコスト(AISC:TCCに現在稼動中の金鉱で一連の営業活動を維持させるために必要な費用を加算)は、燃料費上昇と鉱石品位低下による向かい風でいずれも前年比上昇となった。
  • ・TCCは、前年比4%上昇の$672/toz。
  • ・AISCは、前年比5%上昇の$878/toz。

需要サイドの動向について

■ 2017年の需要

  • ≪現物需要の動向≫
  • ・2017年の現物需要量(ETF及び取引所の在庫構築を不含)は、前年比+358t(+9.9%)の3,988t。
  • ・内、宝飾品は前年比+261tの2,214t。インドで物品税導入や在庫調整、高額紙幣廃止を受けて2016年に需要量が急減。
    ここからの回復が本項目の大幅な伸びに寄与した(2015年736.2t ⇒ 2016年454.4t ⇒2017年718.1t)。
  • ・工業用加工用途は前年比+14tの380tとなった。好調な世界経済が需要を押し上げ、特にエレクトロニクス分野の寄与が大きい。
  • ・公的部門正味購入量は前年比+97tの366tとなった。最大の公的部門購入国であるロシアによる購入量の増加が寄与した(2016年201t ⇒ 2017年224t)。
  • ・小口現物投資需要(バー・コイン)は前年比▲15tの1,028tとなった。バー需要の減少(前年比▲6t)に比べコイン需要の減少(前年比▲9t)が大きい。

  • ≪ETF在庫構築の動向≫
  • ・2017年のETF在庫構築量は、前年比▲362tの177tとなった。
  • ・北朝鮮情勢など地政学的リスクへの懸念から2017年もETF在庫は増加を維持したが、英国のEU離脱や米国大統領選挙を巡る不透明感を受けた2016年(在庫構築量524t)ほどの急増には至らなかった。
  • ・なお、小口現物投資需要とETF在庫構築の合計(≒投資需要の総量)は、前年比▲377tの1,205tとなった。

価格(Price and market outlook)

  • ・2017年平均価格は$1,257.15/toz。地政学的リスクの高まりや株式下落リスクヘッジ手段として引き続きゴールドの需要が増えるであろうことから、2018年の平均金価格は$1,360/tozを見込む。潜在的には2018年後半に$1,500/tozを試す局面も見込まれる。
  • ・【強気要因】トランプ大統領の不確実な政権運営や中東情勢の緊迫化、英国のEU離脱交渉の行方がゴールドの相場を引き続き牽引するであろう。ETF在庫構築は2017年に一時的に落ち込んだが、2018年には再び350トン規模にまで回復する見込み。小口現物投資需要(バー・コイン)は4年連続の落ち込みとなっていたが、価格上昇期待によるバー需要の高まりにより2018年には回復が見込まれる。併せて中国政府関係機関によるゴールド購入規模の回復も価格上昇要因となるであろう。
  • ・【弱気要因】一方、価格上昇を背景とするコイン需要とインドにおける宝飾品需要の低下が弱気要因になると見込む。また、鉱山生産量については中国からの安定した供給とロシアの伸びが世界の鉱山生産量の成長の下支えとなるであろう。