金市場

金は、日々世界中で取引されています。そしてそれぞれの取引の中心となる時間帯の地名を被せて、たとえば「東京市場」と呼んでいます。メジャーな金市場は、ロンドン市場、ニューヨーク市場、チューリッヒ市場、香港市場、東京市場の五つで、これをもって五大金市場と呼ぶこともあります。なかでもとくに中心的な役割を果たしているのが、300年の歴史を誇るロンドン金市場(金現物取引が中心)と、ヘッジファンドなど投機的資金を集め活発な取引が行われているニューヨーク金市場(金先物取引が中心)の二つです。前者のロンドン金市場では、1919年から毎日ロスチャイルド社の「黄金の間」に固定のメンバーが集まってフィキシングと呼ばれる「値決め」を行ってきました。そして、この価格が金現物の国際的な指標価格として用いられてきました。
しかし、2004年にチェアマンであったロスチャイルド社がコモディティ・ビジネスを縮小したことによりフィキシングから撤退、現在はスコシア・モカッタ、バークレイ銀行、ドイツ銀行、HSBC、ソシエテジェネラルの5社(チェアマンは輪番制)が、毎日午前と午後に電話で売買注文を突き合わせ、折り合った価格をフィキシング・プライス(値決価格)として世界に向けて発信しています。この「値決め」を中心にロンドン金市場では、多くの参加者が活発に取引を行っており、価格は時々刻々と変化しています。後者のニューヨーク金市場では、金先物取引が中心です。先物取引は証拠金を積むことで取引に参加できますから投下資金の数倍の取引が可能で、短期の値ザヤを狙った取引も多く、価格の動きも大きくなります。
先物取引は「買い(ロング)」の取引以外に、将来の値下がりを見込んだ「売り(ショート)」の取引も可能なことから、ファンドの取引参加が増えています。そのため現在では、プライス面に関しては、ロンドン金市場よりもニューヨーク金市場の影響力の方が大きいと言って良いでしょう。

※2014年1月ドイツ銀行はフィキシングメンバーからの脱退を表明。
※2015年3月フィキシングは終了し、新たな国際的指標として「LBMA Gold Price」の運用が始まった。