基軸通貨(Key currency)

国際為替相場での取引が多い通貨を、一般に主要通貨(Major Currency)と呼びます。具体的には、米ドル、ユーロ、円、ポンド、スイスフランなどです。そのなかでも、中心的な役割を果たし、支配的な地位にある通貨のことを、基軸通貨(Key currency)と呼びます。貿易、商品取引、金融取引など、国際的な取引の決済に広く使用される通貨であることから、各国は外貨準備としてこの通貨を保有する機会が増えます。19世紀半ばから100年間は当時の覇権国家であった英国のポンドが、IMF体制が確立した20世紀半ば以降は唯一の超大国である米国のドルがその地位にあります。基軸通貨の条件は次の3点に集約されます。

(1)通貨価値が安定している国の通貨であること。
(2)政治力、経済力、軍事力が強大な国の通貨であること。
(3)国際金融市場が整備されている国の通貨であること。

なかでも
(1)の「通貨価値が安定している」という点は、制度上の重要な条件となっています。これは言い換えると、「他国の通貨価値の基準となりうる通貨」であるかどうかということです。それがためにこそ、第二次大戦後の米ドルは金とリンクしていました(=金ドル本位制)。しかし、1971年に米国は金とドルとのリンクを放棄していますから、あくまでも実態上基軸通貨と認められていると捉えるのが正解でしょう。なお現在は、EU(欧州連合)内の15の国が採用している通貨であるユーロが2006年に市中の流通量で米ドルを抜き、各国の外貨準備に占めるシェアも上がっており基軸通貨ドルの足元を脅かしています。したがって、他国の外貨準備における米ドルとユーロの保有比率の推移は、今後のマネーの流れを見る上で重要な指針のひとつとなります。