豊島逸夫の手帖

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490ドル台の攻防

2005年12月21日

欧米はタダでさえクリスマス休暇入りで商い薄いところに、NYの地下鉄、バス ストライキも重なり、市場参加者も極端に減ったところにまとまった売りが入った。NY市場の虚をつくタイミングは、仕手筋の手口である。それも、(筆者の想像だが)中東の某国の半官半民の投資機関かと勝手に思い込んでいる。

特別に新規材料は無い。

本稿執筆時点(12月21日朝8時)で492ドルまで急落中。

先週金曜日のTOCOM強制手仕舞いデーでも、安値は493ドルであったから、それを下回ったことにより、2005年は500ドル以下で越年の公算が強まった。高値掴みの先物買い顧客が未だかなり取り残されている、というか相場の戻りを期待してジッツと我慢しているのが、たまらず、手仕舞い売りに出てくるだろう。

一方で、今週は、アジア中東の現物市場において、既に安値拾いの実需買いがまとまって出始めているので、この安値圏は格好の買い場となろう。アジア、中東はクリスマス休暇といっても、あまり関係はないから。480ドル台にでもなれば、現物買いは更に加速しよう。当面、先物手仕舞い売りと現物新規買いのせめぎあい。つい2週間前の先物買い vs 現物売りの構図とは、様変わりだね。

2005年