豊島逸夫の手帖

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北朝鮮核実験で反発

2006年10月10日

核実験報道で、定石どおりの有事の金買いより、576ドルまで反発している。一時は580ドル近くまで戻したが、そこは売られた。従って、このまま、すんなりと上昇を続ける市場環境ではない。原油も60ドル台に戻したが、市場参加者は、いたって慎重である。

しかし、前回述べた売りのクライマックス局面は過ぎたようだ。

再上昇に向けて、仕切り直し。すこし時間かけて、足元を再び固めねばならぬ。金ETF残高が488トンとじりじり増えてきたことに注目。アジア中東の現物需要も戻っている。

あとは、投資家の心理だね。神経質になっているから。尤もだと思うよ。

ここのところセミナー続きなのだが、やはり話題は"どこまで下がる"ということ。下記の項目をスライドで見せながら、長期上昇トレンドは変らず。今が底であろうと話している。10月23日の日経マネーセミナーでも同様の話しするつもり。

なぜ、これだけ上がっているのか。

インフレ懸念-原油高、財政赤字
有事の金買い-イラク、イラン、パレスチナ
ドル離れ-米国経済の双子の赤字に不安
中国、インドの台頭
オイルマネー
年金基金の金市場参入-ETFを通じて
ロシア、中国などの公的金買いの動き

金価格が下がるシナリオは?

Goldilocks経済実現(物価上昇なき完全雇用)は金売り材料-逆にインフレ、デフレどちらに転んでも金買い材料
中国経済成長が7%前後まで減速する
中東が平和になる
米国民が過剰消費を慎み、貯蓄に励む
海底の金鉱脈を経済的に発掘する技術開発
短期的にはヘッジファンドの投機的売りにより乱高下

2006年