豊島逸夫の手帖

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ニューイヤークラッシュ

2007年1月9日


2007年の幕開け。商品市場全般が売り攻勢に見舞われた。原油下落に引きずられたと言ってもいい。金価格は600ドル近くまで下落したのち、610ドル 近辺まで戻している恰好だ。暖冬異変に端を発する原油急落を見て、気持ち悪く感じたヘッジファンドなどが売りに走った。ドルも対ユーロで反騰中であった。


今回の商品下落の背景にはやはり米国景気後退の影がちらつく。そこでマクロ経済を見れば、先週末発表の雇用統計が予想外の良い数字であったことが目を引 く。これについてのマーケットの解釈は真っ二つに分かれる。米国景気の底堅さを映すと見る強気派と、FRBのインフレ警戒姿勢=引き締めバイアスが強まる と見る弱気派である。同じ現象に対してどのポイントを相対的に注目するかの違いだけどね。つまるところ決定打を欠くわけで明確な方向性は出にくい。という ことは、今回の下げも持続性には欠けることになる。せいぜい震度3くらいのマグニチュードかな。


と、ここまで書いたところで、久し振りの原稿書きゆえ、全く筆が走らず。新年を迎えても、マーケットの展望は12月中に述べてきたことと全く変わっていま せん。この値ごろ感は思わぬお年玉でしょう。エキサイティングな年になる予感がしますのでせいぜい気張っていきたいと存じます。

2007年