豊島逸夫の手帖

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過熱感なき上昇

2007年5月7日

連休中は一時660ドル台まで突っ込む局面もあったが、その後ふたたび10ドル刻みで反騰し690ドル近くまで戻している。引き続きドル安(対ユーロ)がテーマ。先週末に発表された米雇用統計で、月間新規雇用が88000人という低水準だったことから、ドルが対ユーロでふたたび売られた。

さて連休前には頭の重い展開となっていたが、本欄のコメントではこう書いた。

地合いが少しでも軽くなれば、そこに新規買いの余地を見出す。NY株高でリスクマネーも息を吹き返し、売買の回転も速くなっているから。
さて、目先の見通しだが、本欄にて2007年第一ラウンドでは680ドルの時点で650ドルまでの調整とした。結果は(瞬間的に)630ドル台まで下がった後、690ドルまで回復した。
そこで、現在進行中の第二ラウンドだが、筆者は670ドルまでの調整を見ている。結果が(瞬間的に)650ドルまで下がるか否か。いずれにせよ底値は切り上がってきている。700ドルへの流れに変わりはない。

そして連休明け。瞬間的下げが660ドル台で止まったこと以外は上記の見方に変わりはない。気になることといえば、600トンを超えていた金ETF残高が599トンまで減少していること。これは5月決算のヘッジファンドによる利益確定売りと見られる。(金ETF購入者は年金以外にも多岐にわたるのだ)。まぁ、670ドルで売れればかなりのリターンにはなるだろうね。

過熱感なき金価格上昇はまだ続く。

2007年