豊島逸夫の手帖

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バーナンキを迷わせる金急騰

2007年9月7日

目下の金融市場最大のポイントは、FRBによる9月18日の利下げ期待。

ところが、かなり利下げに傾いているとされるバーナンキの判断を惑わせるかのようなタイミングで、金価格急騰。あれよあれよという間に、696ドルまで来てしまった。先物ベースでは700ドルの大台突破。金価格をインフレ指標として認識しているFRBにしてみれば、なんとも悩ましい展開ではある。

それにしても上げのスピードが速すぎる。700ドルというのは金市場にとって実質的に未知の海域である。1980年と昨年に経験はしてはいるが、短期間であった。実需のサポートもまだついてこない。

上げも速ければ下げも速いと認識すべし。大台を突破すればオーバーシュートするのがマーケットの常ではあるが、ここはまず680ドル台の値固めの感触を確認してから動きたい。

2007年