豊島逸夫の手帖

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理性を取り戻しつつある市場

2007年10月23日

昨晩のNYは12ドルの急落。といっても未だ750ドル台だけどね。原油も下がり、徐々に"はしゃぎすぎ"という反省感がNYでは生じている気配。

はっきり言って、今の"日々"の相場に要因とか材料とか関係ない。マーケットのセンチメント(ムード)とファンドやトレーダーのポジションの増減が支配する。買い持ちを膨らませた手合いは、必死に外部には強気論をぶちつつ、トレーディングルームでは利益確定売りを進めている。余計な音をたてて雪崩を起こさないように配慮しつつ、そろそろ下山しているわけだ。一方、強気のセンチメントが紫外線殺虫灯の如く、新規参入者をおびき寄せている。そんな異常な状態が臨界点に達すると、マーケットは失われかけていた理性を取り戻すものだ。

為替は113-114円台。久しぶりの円高だ。為替を見れば買いゾーンゆえ、海外ドル建て金価格がもう一段下がれば買いを始めても面白い。円高、海外金下げの同時進行は、最近の地合いでは貴重な組み合わせである。

なお、来月11月はヘッジファンドの決算期。彼らの決算対策で益出し売りが出るときは、金市場に本質的悪材料が出て売られるわけではないので、個人投資家には狙い目である。なんか、久しぶりに買いの話をしたな。

明日は朝9時からテレビ東京のモーニングベルで生出演。金投資術の話をするので、更新は休みます。

2007年