豊島逸夫の手帖

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クリスマスラリー

2007年12月27日

正月明けまで更新をサボり、NY時間も熟睡できる人並みの生活送ろうと思ったが甘かった!金価格はするすると825ドルまで上昇。原油も96ドルまで急騰。ドル円は114円台まで円安進行。結果、ダブルで国内金価格急騰。
ドルユーロは若干ドル安、ユーロ高気味。またもや、ユーロの一人勝ち。

金ETF残高(本欄統計ベース)もクリスマス明け、いきなり753トンから764トンまで急上昇。もう新年度の胎動か。NY先物買い残は12月18日発表で529.6トン。4.7トンしか減っていない。急ぎ売り手仕舞いの気配は感じられず。

株、債券、外為、商品のマーケット全体のテーマは、米国リセッションありやなしや。サブプライムの実体経済(個人消費)波及―景気後退―FFレート3%台まで段階的引き下げの観測が、金利を生まない金には引き続き追い風となっている。

なお、世界第三位のアングロゴールド アシャンティー社の新CEOが、2008年中に約300トンの既存ヘッジ売りポジションの買戻し計画中との報道(2月中に詳細発表とのこと)。300トンと言えば、中国の年間金需要に匹敵する規模。まとめて買い戻せば一気に史上最高値更新の推進力となるに足る量である。段階的に買い戻せば、ボディーブローのごとくジワジワ効く。振り返れば、700ドルの大台突破の推進力も、豪最大の金鉱山ニュークレストのヘッジ買戻し(約70トン)であった。

足元の相場は、ロンドン休場、NYも参加者はわずか。値だけ飛ばしている感は否めない。とはいえ、新春相場の兆しは見えてきた。

PS
カルパース(総資産約28兆円)が株、債券を約2兆円売却し、オルタナティブへシフトとの報道。ポートフォリオ配分は株60%→56%、債券26%→19%、オルタナティブ6%→10%へそれぞれリバランス。ちなみに、本年6月末時点での年間リターンは19.1%達成だと。ただし、2-3年計画だそうだから、これもボディーブローみたいにジワジワ効きそう。他の年金基金のロールモデルとなっているカルパースゆえ、そのアナウンスメント効果も小さくない。今回のリバランスは特に"インフレ"と"ドル安"への対応がテーマとなっている。インフレリンク関連投資(商品、不動産、インフラ投資など)の充実と、米国株からアジア、欧州株へのシフトが目玉となっている。

2007年