豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. "金を通じて世界を読む"目次公開
Page612

"金を通じて世界を読む"目次公開

2008年12月18日

昨日、本欄にて(明日発売の)筆者新著について触れたら、夕方には、アマゾンのサイトで"日本経済新聞出版社ベストセラーランキング"の第三位まで急上昇しました。

地味な経済書が、全ジャンル総合順位でも、発売前ですでに100位台というのは珍しいことだそうです。"恐るべし、ブログ読者集団のパワー"とは、スタッフの呟き。(読者は、筆者の書く各サイト合計で2万人ほど)。まだ、"新刊予約"の段階ですものね。そこで、今日は、新著の目次を本欄で全公開します。(なお、断っておきますが、筆者は印税で儲けようなどという気はサラサラありませんよ。本欄同様に"趣味"で書きました。印税は慈善事業に寄付します。それにしても、海外出張の機中などで時間みつけて14万字書くのは、さすがにしんどかったぁぁ...)

第一章 金価格上昇の背景 - 揺れ動く世界経済
1.グリーンスパン氏の報酬は金?
2.金価格の歴史はドル インフレ 金融危機の歴史
  自由化されたのは1970年代 1999年からの長期トレンド 上昇トレンドの比較
3.商品バブルは弾けたか?
4.サブプライム危機と金
  守りの運用手段としての金 金融市場のリスクに巻き込まれることも
  投資家が痛感したこと ニクソンショックがまいた種
5.デフレでも長期的インフレへの備え
  インフレヘッジとしての役割 紙幣増発のインフレ 金利への反応
  名目金利より実質金利 マネーイル―ジョン

第二章 古くて新しい通貨"金"
1.ドルは200年 金は2000年―基軸通貨からの逃避
  米ドルへの不信任投票 二千年の歴史は揺るがない 金本位制とは、
  金本位制が崩壊したワケ 金本位制復帰論 "金価格は通信簿"
2.十年後の国際通貨制度を考える
  幻のSDR構想、最適通貨圏構想―中東は金? 多通貨分散の時代へ

第三章 金市場を賑わすプレーヤー
1.プレーヤーの紹介
2.金メジャーの支配拡大―供給事情
  家族的経営から株主本位の経営へ 金メジャーの苦悩 業界再編と先物ヘッジ問題
3.投機マネーの実態 - NY市場を中心に
  投機家はマーケットに流動性をもたらす 機関投資家の登場 電算取引技術の影響
  オプション取引で荒れる相場 筆者のプロ投機体験―"八勝七敗"
4.欧米年金基金の参入―金ETFの誕生
  独立した値動きを見せる新たな運用対象 金ETFの概要 ETFの買い手

第四章 日本でも注目を集める金取引
1.変化する日本の金市場
  金は燃えない資産 1995年が転換点 金購入者のプロフィール 
  整備された日本の取引市場 ETF上場は何をもたらすか
2.日本人の特性と金の相性
  "十万円金貨"のからくり 空前のリサイクルフィーバー"都市鉱山"の活用法は 
  日本で一番金が売れるところは? 金情報の質を問う 世界をリードするハイテクゴールド

第五章 金を動かす各国の思惑
1.現物取引の中心地、ロンドン
  価格決定の場であった市場 世界中の在庫を保管する
2.富裕層を囲いこむことで成長したチューリッヒースイス市場
  金はマネーであり 時計の素材 元UBS幹部の告白 露呈したUBSの危機
3.南アフリカの歴史は金生産の歴史
  生産量一位を維持した国 問題を抱える統治政策 
  迷走する政治―未曽有の電力危機 それでも金は南アフリカの基幹産業
4.需要も供給も今後が期待される中国
  中国市場の潜在エネルギー 規制緩和による市場の拡大 需要は少なくともインド並みに
  政府系ファンドの可能性 中国の生産量は世界一 意外に近代的な施設―筆者の体験
5.ダントツ一位の金需要―インド
  婚礼で必要な金 若年層の価値感の変化は需要下方要因に インドマクロ経済の弱点
6.世界を動かす中東マネー
  圧倒的な資金量 多様化する投資先 ドバイが国際的中継基地 アナリストも注目する小売市場
  金利を生まないことがメリットに 資産凍結の恐れから金にシフトするイラン
7.ナショナリズムの匂いのする通貨を避けるロシア

第六章 これからの金を見るポイント
1.中央銀行の金売却
  欧州各国の大量金売却 歴史的な合意―ワシントン協定 金は究極の通貨 IMFの金売却問題
2.宝飾市場の変化を読み取る
  投資型ジュエリーとファッション型ジュエリー ジュエリー素材としての金
3.原油と金の相関と非相関
  マネーとしての金 原油高騰は金高騰の必要十分条件ではない 金のデータは整備されている
4."有事の金"の本当の意味
  "あの金塊はどうなった" 有事の金の変遷 "噂で買ってニュースで売る" 有事の金は売り
5.新たな経済システムの構築
  縮小均衡に向かう各国 おとなしくなるかヘッジファンド 米国と中国の"仮面夫婦" 
  オイルマネーもチャイナマネーに接近、投資家の心の傷
6. グリーンスパンの懺悔

以上で240ページ。

なお、日経CNBCでは30分の金特番"金を通して世界を読む、中国編"が12月26日に放映されます。同局クルーが減速する中国経済の中で現地の金事情はどうなっているかを北京と上海で取材してきたので、スタジオで志田日経編集委員と筆者が、そのビデオを見ながら色々語る予定です。番組告知は下記の日経CNBCサイトへ。
http://www.nikkei-cnbc.co.jp/program/special/gold08_p6.html (現在公開されていません)

2008年