豊島逸夫の手帖

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通貨の世界の政権交代はあるか?

2009年9月11日

通貨の世界の自民党がドルである。支持率は長期低落傾向。しかし、日本は政権交代したが、通貨の世界の政権交代は遅々として進行しない。ドルの一党支配に挑戦する野党がまだ力不足なのだ。昨年前半まではユーロ党が躍進していたのだが、加入国間の派閥争いで 支持率も低下した。

代わって、連立新政党の動きが派閥の中国派を中心に顕著になってきた。SDR党である。このSDR党を構成する党派別議席数(=通貨バスケットの構成比率)は、現状、
ドル44%、ユーロ34%、円11%、ポンド11%なのだが、
中国が提唱する新SDR党は、
ユーロ20%、人民元20%、ドル16%、円9%、ルーブル5%、ポンド5%
という多数連立構想である。これではドル自民党は当然容認できず。

そもそも人民元には外為規制が課せられ、実勢に任せた人民元高を容認しない為替政策を採っているので、まだ自由に取引できる国際通貨とはいいかねる。ゆえに米国以外の多くの国々も及び腰だ。結局、政治不信ならぬ、通貨不信が根強く残る。

その中で、金は無国籍通貨として無党派層の支持を集めているということか。

ここで、クイズをひとつ。
1)世界一の借金王は誰でしょう。
2)世界一の債権者は誰でしょう。
賢明なる本欄読者の方々なら、直ぐにピーンとくるはず。答えは本稿の最後で。

さて、金価格のその後だが、1000ドル突破した後は反落して、昨晩は980ドル台まで下げた後、990ドル台で極東時間帯に戻ってきた。先物買い 対 現物売りの構図。ボクシングに譬えれば、先物買いの鋭いワンツーパンチが効いて、1000ドル突破試合の前半のラウンドを10-6くらいのポイントで買い優勢の勢いであったが、徐々に 現物売りがボディーブローのようにジワジワ効き始め、後半のラウンドでは10-8くらいで売りが優勢となっている。

とはいえ、この攻防は未だ9月初旬に始まったばかり。年末までには3か月以上残っている。今のマーケットは1週間で景色が変わるから先は長いよ。

さて、明日は大阪で日経プラスワンフォーラム。「リーマンショックから一年後の世界」について金を通して読む、という趣向です。勿論、金価格1000ドルの今後も。

明後日は大手町の日経CNBCスタジオで、来週OAの金特番(30分)の収録。OAまで4-5日の間隔が空くようなので、うっかり価格の話しをするとリスクがありそう。

なお、今週発売のアエラ臨時増刊「アエラビジネス」に6ページの金特集が載っています。じつはインタビューが2カ月も前だったので 内容の鮮度陳腐化が心配でしたが、1000ドル前後の現在でも全く陳腐化していませんでした。 

さて、最後にクイズの答え。
1)は米国財務省
2)は中国人民銀行

2009年