豊島逸夫の手帖

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サンタ ラリー

2009年12月24日

本稿はテレビ東京の控室で書いている。これがアップになる頃には番組(Eモーニング)は終わっているけどね。

クリスマスの今週はNYマーケットも超閑散ながらNY株は上昇。ドル高、債券安。気になるのがドル長期金利上昇。米国債(10年)の利回りが3.7%台まで上がってきた。2年債が0.9%前後なので、イールドカーブ(利回り曲線)がこれまでになく立っている。10年債と2年債の金利差は史上最高の水準だ。

これが何を意味するのか。短期金利のほうはFRBがマネーじゃぶじゃぶ作戦を継続しているので金利は上がらない。でも、長期金利のほうは、将来の米国経済の回復を先取りして上がっているという良い金利上昇の面もあれば、今週もまた8兆円相当の新発債が入札にかけられ、増発される国債の消化難が生じるという悪い金利上昇の面もある。

NY株式市場は、ドル金利高=ドル高という連想も手伝い、買い材料として捉えている。なお、来年に向けての一般的投資の指針ということになると、米国債は売りとか米国債バブル懸念を唱える人たちが多い。来年は、株から金という流れより、国債から金という流れのほうが顕著になりそう。

ドル相場と金相場については、
虫の目=年末の締めでドルショート、金ロング・ポジションの手仕舞い。
魚の目=ドル長期金利上昇傾向、ドル短期金利は利上げ観測でドル高モード。ドルキャリーの巻き戻し。
鳥の目=米国経済の構造的問題は変わらず。
要は、短中期は金利差要因、長期は構造要因が支配する構図だ。
と、ここまで書いたところで本番になったので、今朝はこれでおしまい。

2009年