豊島逸夫の手帖

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ブログ、ツイッター読者限定セミナー報告

2010年12月20日

先週土曜午後は、久し振りの特定商品スポンサー無しの手作りセミナーでしたが、会場の日経コンファレンスホール定員180名パンパン状態になり、熱い「ファンクラブの忘年会」みたいな雰囲気になりました。老若男女。夫婦連れも目立ちました。エレベーターでいきなり会った方はわざわざ富山からこのために見えたとか。関西からの参加者も何人かいて感激しました。

私から講演はせず、基本的に質疑応答のみ。「女性にゴールドのジュエリーをプレゼントするときに、気の利いた男性からの一言があれば教えてください」など爆笑の質問も飛び出し、笑いの絶えない「楽しく学ぶ」セッションでした。

ちょうど当日放映された日経CNBC金特番「北京の金最前線レポート」もDVDで流しました。中国関連は、この画面で皆、現地の旺盛な金需要の実態を見て納得したようです。

さて、質問の内容ですが、マクロ経済に関するものと、金価格に関するものと半々。「豊島さんの個人的な資産運用を教えて(43歳)」などという個人情報に関するもの(笑)もあって、かなりの部分がオフレコの本音ぶっちゃけトークだったので、活字には出来ないことばかり。

まずは、米国経済や欧州財政危機に関する質問が多かった。さらに「日本の現状を見ていると将来が心配でなりません。今はデフレ状態ですが、5年後、10年後には厳しいインフレ状態になっているのでしょうか。高齢の年金生活者の両親の先行きが心配でなりません(44歳)」(筆者注 親孝行の方ですが自分のほうも心配でしょう)。「日本国債、米国国債の安全性についての見解(43歳)」。「海外勢から見た日本の財政破綻への関心や心配はどうなのか(43歳)」。

筆者の答えとしては、これまでの日本国債は900兆円の公的債務を1400兆円の個人金融資産が引き受けるという、「親の借金を子が払える」対内債務ゆえ「温室育ち」であった。しかるに、900兆円は利払いなどで膨張してゆくのに対し、1400兆円のほうは団塊の世代が食いつぶしてゆくから、3-5年で逆転する臨界点が来る可能性がある。そこで日本国債も米国債なみに欧米市場の容赦ない荒波に曝され真価が問われる、という内容でした。

金価格に関しては、「金ETFやファンドの在庫がかなりあるようですが、売り利益確定に走った場合、中国の需要がいかに旺盛だとしても価格はかなり下落してくるのではないでしょうか。下値のメドは?」という具合に、下値を心配する質問が圧倒的に多かったです。無理もない。当然ですよね。

結論からいえば、ポールソンやソロスが売れば、1200ドル前後まで下がる可能性はありますが、すかさず新興国や年金に大量に買われてV字型で急反騰するでしょうね。2011年に関しては上記のようなことがあっても、おおむね高値圏を維持すると考えます。下がるのは、2012年前半かな。米国欧州経済本格好転による利上げが条件ですけど。

2時間のセミナーでしたが、答えられた質問は1/3以下。時間が足りず。今回、多数の当選外れた方々も出たので、またアンコールセミナーやりますよ。そのときは今回外れた方々をまず優先受付。さらに関西でも開催したいと思っています。

ツイッターでスイ―ツ呟きが多いので血糖値など健康についても随分心配していただきました。その件に関してはロス在住の医師のフォロアーの方にツイッター上で血糖値を開示したところ、まぁさほど心配ないが、腹八分目にこつこつと、というアドバイスをいただきました。これ、投資の極意と同じだね(笑)。

飛び入り参加のFP深野康彦さんは新著のプレゼントまで提供してくれて感謝。彼とは日本の投資商品販売最前線の問題について忌憚ない話をしました。「投資家にうま味ある商品は業界にうま味がない。その逆も真なり。」

さて、話題は変わって、下の写真は先日福岡で開催された女性向けゴールド講座の風景。中心年齢20-30歳の女性のみが100名近く参加。途中休憩もなく100分通しで 筆者流の「金を通して世界を読む」の入門編を熱心に聞いてくれました。円高や欧州経済、ユーロの問題、そして金の話など。

これまで様々なセミナーやってきたが、円形劇場型の会場でこういうタイプは筆者としても初めての経験でしたよ。時代は動いてますねぇ。

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2010年