豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. ジムロジャースとの対談
Page1005

ジムロジャースとの対談

2011年2月18日

1005a.jpg1005b.jpg昨日の午後いっぱいをシンガポール高級住宅地にあるジム・ロジャース邸で、彼の家族も加わり、和やかな時を過ごした。彼との鼎談も行われ、その模様は日経CNBCで3月上旬の金特番で放映される。さらに詳しい内容は、日経マネームック本に採録される。

話題は、いきなり円高、日本国債格下げ、日本株の話から始まり、株、債券、為替、商品の全ての分野を網羅した。小気味よかったのは、理屈に捉われず、ストレートに何を売っているか、何を買っているのか、単刀直入に話してくれたことだ。

トレーダー出身で、買うか売るか、どちらしかないという世界に育った筆者としては波長が合った。ジョークを交えながらの笑いの絶えない対話であった。内容については放送前、ムック発行前にばらすことが出来ませんが。

さて足元の金価格が、なんのかんの云いながら、中東不安とインフレの足音が米国消費者物価上昇率にも感じられるようになったところで、とうとう1380ドルを突破してきた。

昨晩発表されたWGC最新金需給レポートでも2010年は公的部門が22年ぶりの買い手に。(公的売却量がマイナス87トン。)

宝飾需要が盛り返し前年比17%増の2060トンに。国別に見ると、インドが過去最高の963.1トンを記録。もはや1000トンちかい。前年比でもプラス66%である。内訳も宝飾745.7トン、投資217.4トン。インド国民の間に先高感強く、上がる前に買おうという心理が働いたようだ。

中国も過去最高の579.5トン。前年比27%↑。宝飾が399.7トン。投資が179.9トン。

インドと中国で、なんと1542.6トンを購入。世界需要の約半分を占める。やはりインドと中国が相場を引っ張る構図が鮮明だ。両国とも圧倒的に長期現物保有。この数字は金バブル論を吹っ飛ばすデータとなろう。

なお、そのレポートで筆者の目を引いたことがロシア金準備増強の例。同国中銀副総裁の発言で今後毎年100トン以上、公的金保有を増加の方針。原油輸出代金が増えるにしたがい外貨準備の中でドルの持ち高急増。結果的に外貨準備の中で金の割合が25%(2000)から5%(2010)に低下。そこでリバランスとして金購入。

一般的に途上国は通貨安政策で市場介入により買い取ったドルがたまるばかり。膨張する外貨準備の中でドルの割合が急増し、逆に金の割合が下がってしまう。そこでポートフォリオの考えだが、リバランスで金を増やすという発想となるわけだ。

さーて、今日は日中いっぱい働き、深夜便で帰国。ちょっと家に寄ってシャワー浴びてから、投資戦略フェアーで池水雄一とのぶっつけ本番ぶっちゃけトークへ。

シンガポールからもガーラ湯沢のHPで現地の天気をフォローすることだけは忘れず。明日は晴れらしいなぁ。残念。ま、日曜は行けるからいいか。シンガポールではマレー風のカレーっぽい料理が多かったが、やっぱりガーラ湯沢のカツカレー、福神漬大盛りが好きだな。マレー料理には福神漬がないのだ!!! 当たり前か(笑)。シンガポール気温34度の世界からマイナス5度のスキー場へ、刺激的な週末です。

2011年