豊島逸夫の手帖

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FukushimaもLibyaも

2011年3月22日

金高騰により、ポートフォリオで金保有割合が多過ぎている投資家はリバランスで金の一部を売り、日本株応援買いしようという呼びかけに、多くの方々が応じてくれた。ツイッタ―では24年間金を積み立ててきた方が、一部を取り崩して「コマツ」買ったというフォロアーの書き込みなどあり。店頭でも、筆者のブログ読者が金貨数十枚持ち込んで換金して、これから日本株買うという光景も見られたとのこと。

復興予算の最大の財源は1400兆円の個人金融資産だと筆者は感じている。草食投資隊名誉会長としては、投資初心者のために一口1万円くらいから東北応援積立ファンドなどの組成を薦める。足元ではまず寄付による水と燃料と薬だが、中長期復興には、施しではなく地方産業基盤再生の自助努力に対する投資家の応援が重要と思う。

日本株買いについては、バフェット氏も、日本は回復する、危機は買いだ、という発言。バロンズ誌も、Buy Japan Now(日本株買い推奨)の特集。もちろん、少子化高齢化の国の株が長期的に買えるかという反論も根強いが。

なお、ツイッタ―でRT(リ・ツィート)された記事で多くの共感を呼んだのが、河北新報「放射能の影響をどうとらえたらよいのか」という東北大学川島隆太教授の寄稿。

「皆さんが一番不安に思うのは、専門家が決して『絶対に』安全であるとは言ってくれないことだと思います。絶対ではないのだから 危険なのではないかと感じるのは当たり前です。専門家は科学者の良心から絶対とは口が裂けても言うことはできません。」

「飛行機で米国や欧州に逃げ帰ると空気の薄い高高度の場所を飛行するため大量の放射線(宇宙線)を浴びます。船で逃げ出すことを科学者として推奨します。"

「確率論で言えば、現在のレベルの放射能を1か月浴び続けるよりも、たばこ1箱吸う方が皆さんの寿命を縮めます。」

「茨城や福島でホウレンソウ、牛乳から放射能が検出されたと報道されています。ここ仙台では生鮮食料品がとても入手しにくく、捨てるのであればぜひ分けていただきたいです。」

詳細は河北新報のHPに記事が載っています。

筆者が気になるのは、欧米の友人たちの多くが、日本全体が原発2キロ圏かのような印象を持っていること。日本からの今朝の天気予報、風向きを気にするアジアの友人もいる。

さて、昨晩の欧米市場は、株も商品も総上げ。リビア、福島が安定に向かうという楽観論でNY株高。トリシェのタカ派的発言でユーロも買われ、ドル安も要因に。リビアも福島もマダマダ予断を許さないのに、過剰流動性がムズムズしてジッとしていられないのだね。

原油はリビア空爆で上げて、株は中東安定化期待で上げて...。ちょっと都合良過ぎる解釈。

そして協調介入。これは鳥の目で見て、意味が重い。過去の協調介入の歴史を見ても、ルーブル合意以外は、大きな相場転換が起きている。

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最後にツイッタ―初心者激増中ですが、検索でも辿りつけないというフォロアーも多いようで、一番簡単なのは下記をクリックすることかな。
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2011年