豊島逸夫の手帖

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グローバル運用トレンド

2011年5月19日

今朝、NYのCNBCを見ていたら、ブラック・ロック(最大手の資産運用会社)運用担当者がインタビューに答えていた。一言、一言、ゆっくりした語り口で話しているので英語のヒヤリングの勉強素材にもなりそう。画面右にはテロップで英文字幕も出ている。↓
http://video.cnbc.com/gallery/?video=3000022126

話の内容のポイントは
― 先進国は経済成長減速、新興国は過熱インフレ懸念の二極化
― 米国債は10年もので利回りが3.1%だが、物価上昇を考慮した実質ベースでは1%そこそこのpoor return(リターンが少ない)。しかも、これからベビー・ブーマーの「津波」が財政を圧迫する。したがって、長期にわたり米国債にマネーを置くことは避ける。
― 日本株がgood opportunity(買いの良い機会)である。
― FRBの金融政策は、デフレ懸念を優先順位に置くあまり、インフレ・リスクを冒している。それが顕在化するときは、too late(時、すでに遅し)となろう。
― 米国金融政策を考慮すると金などにも分散する。
― スタグフレーションのリスクもある。70年代ほどのマグニチュードにならないことを望むが。

以上のように、最近は資産運用の一般論で金融政策不信に対するヘッジとして、金が自然な形で登場する時代になったことを実感した。

なお、日経電子版コラム(マネーページ)に、ジムロジャース対談の続編を書いた。金と日本株を買い、米国債と日本国債は売りのジムロジャースについて。お昼頃にはアップされると思います。

2011年