豊島逸夫の手帖

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機関投資家の金買い

2011年6月7日

米雇用統計前は金価格1520ドル台。発表直後から、ずっと1540ドル台が続いている。24時間価格グラフを見ると、地震の後の亀裂断層を思わせる。昨晩は1550ドルを超える局面もあったが、そこまではまだ支えきれず。

今朝は日経朝刊一面に、「債券、株から商品へ マーケット波乱のマグマ」という記事があったので、電子版には、いよいよ始まった日本の年金基金、金投資の例について書いた。
http://www.nikkei.com/money/gold/index.aspx

朝刊記事の小見出しの如く、年金資産に変調が生じている。読者諸氏の年金にもいつのまにか金が組み込まれていた、という時代が来たのだ。

確定拠出年金のメニューにも金が入ってきている。ヘッジファンド投資でも、じつはコモディティーで運用するファンドにおカネを入れているケースもよく見かける。

あくまでリスク分散投資の一環なので、金を買うのであれば、それなりのまとまった量を買わねばリスク分散にはならない。

そこで問題になるのが市場の流動性。東京時間よりはNY時間帯のほうが流動性が豊富なので、敢えてNYで売買するインセンティブも働く。その意味では東京市場での流動性を増やすことが急務である。

2011年