豊島逸夫の手帖

Page1087

中国とイラン

2011年10月17日

今週注目は中国GDP発表。ハードランディングにはならないと思うが経済成長の減速幅に注目。なんせ10%成長に慣れている国。7-8%台になると影響は大きい。例えていえば高速道路をポルシェで160キロでスッ飛ばして、一般道路に降りると80キロでも止まったような錯覚に陥るもの。経済も中に居ると10%が7-8%に減速すれば成長が止まったような感覚を国民が抱き、消費に慎重になる。消費がけん引役とならねば内需主導型経済成長の達成は困難になる。

そしてイランとサウジの問題がきな臭い。サウジの駐米大使暗殺計画を米国得意の"囮捜査"で摘発したのだが、容疑者がイラン国内親衛隊と繋がっているとの疑惑。しかし暴かれた計画があまりに未熟なので、イラン側が摘発されるのを見込んで仕掛けたとの見方も。イラン国内で対米敵意感を煽り、国内を結束させようとの目論見だとの深読みである。いずれにせよオバマは対イラン制裁強化の方向で動き始めた。そこにサウジが絡む。中東の覇権を巡り対立するイラン(シーア派)とサウジ(スンニ派)。
シリアは政府の弾圧が国際世論の非難を浴び、エジプトも暫定軍事政権が当初の約束の半年経っても新政府に移行しない。ムバラク打倒のときは穏健な軍事派として国民の支持を集めたが、いまや国民の心は軍から離れてしまった。未だ国内は混沌状態が続く。イスラエルとパレスチナも相変わらず。
なお今日の日経電子版のほうでは オイルマネーのギリシャ支援について書きました。

さて、明日(火曜日)チャリティーセミナーは150名の参加者に増え週末に申込者ほぼ全員に手作業で受講票をメールで送付しました。(名前の書き忘れが結構多い。)
当日は台本もなくぶっつけ本番で4人がフリートーク。(この臨場感がたまらない!)質問あれば予め紙に書いて受付に渡してください。

それから今日(月曜日) 日経CNBC デリバティブ番組(OAは夕方5時と夜8時)に生出演します。トピックは金価格動向。

2011年