豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. 金価格 一時1600ドル割れ
Page1356

金価格 一時1600ドル割れ

2013年2月18日

先週、金曜のNY市場で金価格が急落。一時1600ドルを割り込みました。今日の国内金価格も円安にもかかわらず、さすがに30円前後安くなっています。といっても、円安で下げが相当相殺されていますけどね。アジア時間では1616ドルまで買い戻されています。
それでも、まだ下げ足りない感じですね。
このところ、私のコメントもずっと弱気っぽかったわけですが、 1600ドルを割り込めば、そろそろ強気に転換できるかな、という感じです。
長期的に2011年につけた史上最高値1923ドルへの上げがあまりに速かったので、まだ、その調整が続いている局面です。
ただし、円建てでは、そう下がらないでしょう。

今後10年で見れば、金価格は3000ドルになると、このブログで書いたことが、先週の東商セミナーでも質問というか、確認で出ました。
過去12年で円建てでも5倍になった希少性あるモノが10年後に倍になる、いうのは至極控えめな見方だと自分では思っています。
円建てでは少子高齢化で公的債務をタップリ背負い込んだ国の通貨は長期下落トレンドと見ますから、グラム11,000円。これも控えめな見方です。
絶対値が大きくなっているので、皆さん結構ビックリするみたいですが、株価と同じで上げ率で見れば、それほど目をむくような話ではありません。
掘ってもそう簡単に採掘・抽出できずリサイクルに頼らざるを得ない希少資源を、インド・中国は公的・民間両部門で年間生産量の半分以上を買い占めているわけで、世界景気が回復すれば、新興国経済も成長のスピードが再び速まるでしょう。
ただ、当面はまだ強気になれない、というだけの話です。
来週の相場が上がるか下がるかは非常に難しい質問ですが、10年後に上がるか下がるかは、やさしい問題です。

さて、先週金曜に下げた理由をまとめますと、こうなります。
1) 米国景気指標が好転してドル高に振れた
2) ソロスなどヘッジファンド金売却が確認された
3) 中国が春節で、下値の現物買いサポートが欠落していた
4) WGC金需給レポートで需要減少が確認された
などです。
今週は春節明けでアジア時間では買いが入りますが、欧米市場では、1800ドルから徐々にここまでレンジの上値が切り下がってきているので、上値は重いですね。1800.1750.1700とレンジの上値が下がってきて、いまや1650ドル前後がレンジの上値。

最後に、先日TBS よるべん 「不動産 対 金」という30分番組に出ましたが、それがYou Tubeで出回ってますよ。"You Tube よるべん 不動産 金"で検索するとドサッと出てきます。
出演するほうも楽しみながらやってましたが、2時間収録が30分に編集され、テンポよく仕上がってしました。

2013年