豊島逸夫の手帖

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雇用統計で金価格下落 その他もろもろ

2013年7月8日

金曜日に発表された毎度おさわがせ米雇用統計は、新聞でも既に色々報道されているとおり良い結果。金市場の反応は「市況の法則」どおり、緩和縮小の時期が早まるとの読みで、1220ドル台まで下落。1200ドル台は維持しています。
下げも徐々に落ち着いてきましたね。
この雇用統計後に、CNBCの調査では、緩和縮小開始時期を12月から9月に早まるとみる関係者が38%としていました。
ここで要注意なことは、決して、引き締めへの転換ではなく、引き続き量的緩和(FRBによる資産購入)は継続するということ。但し、現在のQE3で毎月850億ドル購入の額を、200億ドル程度減らすということだからね。FRBの基本的スタンスは、金融緩和です。

それでも、金市場が反応するのは、緩和縮小の次に、いよいよゼロ金利解除、利上げという本当の意味での「出口戦略」が控えるから。一応、失業率が現在の7.6%から6.5%に下がることが、条件ではないが、前提としている。(バーナンキさんはthreshold=敷居という単語を使っているけど)。
金は金利を産まないから、ゼロ金利ゆえ買われてきた面もあり、利上げが水平線上に見えるだけでも敏感に反応するのだね。
そういうわけで、9月はドイツ総選挙もあり、バーナンキ後任人事もヒートアップして、かなり市場は荒れそう。
前回のCNBCの金特番NY編がえらく好評だったらしく、9月にまたNYへ行くことになった。やっぱり皆、現地の空気を知りたいのだね。ただ、長年相方だった江連キャスターが辞めたので、後任は誰になるのな。。。

なお、雇用統計後の展開で気になるのが、米10年債利回りが2.73%にまで跳ね上がり、1年11か月ぶりの高水準になったこと。
景気好転による「良い金利上昇」と、FRBが今後国債を徐々に買わなくなると他に誰も買う人がいなくなるかも、という意味で米国債が売られるという「悪い金利上昇」の両面がある。ピッチの速い金利上昇は米国でも日本でも決して良いことではない。株価に悪影響を及ぼすし。但し、金利上昇しても、物価上昇率はコアで1.7%とFRBのターゲット2%には届かないディスインフレ現象。つまり長期金利が上がっても、インフレ期待感は低いということ。実質金利が上がっているということでもある。

さーて、先週は北海道に出張しました。その時の写真を添付します。
ゴルフ場で遭遇した鹿の一家とウサギちゃん。

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地元友人お奨めの食堂で朝6時に食べた巨大キンキ。

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そして、回転鮨で食いまくりの宴の後。

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えーと、仕事は何したか忘れた~(笑)。
ゴルフ中にジム・ロジャーズからメールが入り、相変わらずのぶっきらぼうな「16-17日に来日するから」というショート・メッセージ。だからどうする、とも書いていないので、じゃ、ホテルで会いましょ、と返したら、それじゃ、ホテルのジムで、だと。JimとGymで会うという「洒落」みたいな会話だった(笑)。
ま、諸々相場の話でもしてきます。
それにしても東京は暑くなっちゃったね。
どういうわけだか、今年は、夏休み期間中に諸々セミナーがあって、
避暑地の福島・札幌と東京を往復する日々になりそう。
スキーセットもゴルフセットも自宅と福島と札幌と京都(ゴルフだけ)と4セット現地に預けてあります(笑)。

2013年