豊島逸夫の手帖

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雇用統計を終えて

2013年8月5日

夏休み前の最大のイベントとされた米国雇用統計が先週金曜日に発表された。市場は非農業部門新規雇用者増を18万人から20万人を「期待」していたのだが、実際は16.2万人増と事前予測を下回った。
失業率は7.4%と前月比0.2%減少したのだが、これは「求職活動を諦めた失業者」が増えたため。求職活動していないと統計上は「失業者」の分類から外れるので、「失業者」減少ということになるのだ。従って、失業率が下落しても 「雇用状況は悪化」と解釈される。
更に、5月、6月分の新規雇用者数も下方修正された。これが雇用統計の厄介なところで、今回の7月分にしても、来月或いは再来月に上方/下方修正がありうるのだ。
雇用統計の質の問題も良くない。
正社員が減り、パートタイマーが増えている。経営者は、先行き不透明なので、社会保険費まで企業負担を強いられる正規雇用を減らす傾向にあるのだね。
業種でも、特に増えた職種として、ウエイター・ウエイトレス・バーテンが目立つ。サービス業の不安定な雇用が増えている。

そういうわけで、市場には、米国経済悲観論が台頭し、やはり、FRBは金融緩和を継続しなければならないだろうと観測が強まりつつある状況だ。
これが意味するところは、米ドルが売られ、円高となりやすく、緩和マネー流出により下げていた金価格には、やれやれという、安堵感が醸成されるということだ。株にも上げ材料。
ただ、市場の底流としては、緩和縮小の方向性は変わらないね。
結局は、欧州、中国、日本の経済より米国のほうが回復路線の先を行ってるからね。

なお、金価格は、金曜の雇用統計発表前までに1280ドル台まで急落していたので、それが1310ドル台まで戻して、結局、すったもんだした挙句、振出しに戻った感じ。
なお、金市場の見通しをテレビ東京の金特集番組で語っていますので、見てください。↓

http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/mplus/feature/post_46158/ (現在公開されていません)

2013年