豊島逸夫の手帖

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ドイツ総選挙 ギリシャ問題が蒸し返される

2013年8月23日

9月リスクの一つであるドイツ総選挙(9月22日)。
ここまでメルケル首相は、ギリシャ救済問題について、選挙演説では一切触れずに、タブーとして扱ってきました。ドイツ国民は、「もうこれ以上、ギリシャ救済に我々の税金を使うな」と強く感じているからです。
ところが、野党の挑発に乗って、ショブレ財務相が、「ギリシャ救済には、まだ30億-40億ユーロ程度不足が生じている」と爆弾発言を選挙演説で語ってしまったので、火がついてしまいました。
野党側がメルケルはギリシャ救済に関して眞實を語っていない、と批判していたことが背景にあります。
ショイブレ氏は、その批判からメルケル首相を守るために「選挙民に隠し事はあってはならないので、眞實を話した」と言っています。
でも、結果的に、メルケル首相は新たな選挙戦の火種を抱えることになりました。

現在、ギリシャには、二つの救済条件が課せられています。
12500人の公務員が8か月以内に新たな職を探すことが出来なければ減給する。そして、健康保険の個人負担を増やす。
どちらも困窮した国ギリシャにとって厳しい条件で、まず、条件を満たすことは、国民が納得せず、出来ないでしょう。
だからこそ、選挙期間中は、この問題には触れずに、やり過ごそうとメルケル首相は考えたのでしょうが、これは、甘いですよね。

一応、選挙戦はメルケル率いる与党有利で進んでいますが、まだ選挙日まで1か月ありますから、予断を許しません。
万が一にもメルケルが負けることにでもなれば、南欧救済のスキームが一気に崩れ、欧州債務危機が再燃することになります。
だからこそ、9月リスクのひとつと言われているのです。
リスクオフになると、金は売られがちなので、注意が必要です。

2013年