豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. 円安回帰へ潮目変化の兆し
Page1493

円安回帰へ潮目変化の兆し

2013年10月8日

米デフォルト懸念も今がピーク。
万が一、デフォルトになっても、米国債にまさる規模のグローバル・マネーの受け皿はない。市場の流動性が突出している。米国債を売って、どこに逃げるというのか。米国債デフォルト懸念で米国債に「逃避」するという珍現象さえ見られる。
有事に米国債が選好される理由は、「安全性」ではない。「流動性への逃避」である。いざ売りたいときに買い手が見つかる可能性が高い。他市場では、カウンターパーティー(取引の相手方)が引っ込み、流動性枯渇状態になりやすい。巨額のマネーを扱うファンドが最も嫌う状況だ。

足元で投資家によりドルが売られて円が買われているのは、あくまで「一時退避」。デフォルト懸念の先取りだ。市場の不安心理がここまで昂じているのに、ドル円は円高進行とはいえ、いまだ96円台。潜在的円売り圧力の強さを再認識させられる。
NYのファンド筋からも、そろそろ円買い逃避ポジションは居心地が悪い(uncomfortable)との声が聞こえ始めた。
債務上限引き上げ問題のDデイは10月17日。あと10日である。
ここから、一転議会と大統領が妥協となれば、ドル売り円買いポジションは、それこそ「倍返し」でドル買い円売りに転換されよう。ちなみにトレーダー用語でポジションの倍返しは「ダブル・アップ」という。ポーカー用語である。
自分がかかえているポジションと同方向へ市場の大勢が動くと、プロは、手仕舞いのタイミングを模索し始めるものだ。
円買いポジションは出来れば95円台で売り手仕舞いたいが、96円台から、段階的にアンワインド(巻き戻し)したい、との動きが顕在化しそうな地合いだ。
本欄7月29日付けでは「円高へ潮目の変化の兆し」と書いたが、その潮目に、変化の兆しが見られる。

さて、昨日は、ガーラ湯沢から、今シーズンのロッカー使用契約書が来ました。いよいよスキーシーズン近づく。ワクワク~~ もはや仕事などしている場合ではないのだ(笑)。

2013年