豊島逸夫の手帖

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バーナンキ氏もレーム・ダックの兆し

2013年10月31日

30日のFOMCは、事前に「近年、最も注目されない」FOMCなどと揶揄された。実際、発表された声明文を読んでも、大きな変更はない。米財政問題への言及も、どのような表現で悪影響を記すかと思われたが、ワン・センテンス(一行)で懸念を表すにとどまった。むしろ、住宅市場の先行きに関して、前回より弱気の分析を示したことのほうが目立つ程度だ。
市場でも、もはや、量的緩和縮小(taper)問題は陳腐化した。
縮小の基本的方向は変わらず、あとは、縮小開始のタイミングの問題だ。現状では、今年9月と思われていたのが来年3月頃に延期され、「執行猶予6ヶ月」と受け止めている。
バーナンキ現FRB議長も徐々にレームダック化しつつある印象を受ける。マーケットの関心は、上院銀行委員会での次期FRB議長イエレン氏と共和党議員の質疑応答に移っている。適任か否かを精査する目的で、11月14日に開催予定とされる。今後、「バーナンキ発言」同様に市場を動かすであろう「イエレン発言」の第一弾となろう。
更に、来年からのFOMCは、投票権を持つメンバーにはタカ派が多いのだが、イエレン新議長はハト派とされるので、「ネジレFRB」状態も予測される。

かくして、先読みする市場のテーマは、陳腐化した量的緩和縮小問題から、「引き締めへの転換」に移行しつつある。
超ハト派とされるイエレン新FRB議長だが、最大の任務は、量的緩和で膨張したFRBバランスシートを正常化させ、更に、利上げという引き締めを実行することなのだ。
そのための条件や時期をあらかじめ市場に伝えるコミュニケーションとして、「フォワード・ガイダンス」がイエレン体制下でのFOMC声明では材料視されることになろう。

最近のニューヨーク市場でも、ファンドは目先の量的緩和縮小時期観測に揺れつつ動くが、年金基金などのリアル・マネーは引き締めへの転換が2015年か2016年か、との中期的見通しからベース・シナリオを描き、運用比率を決める傾向が見られる。そこで、量的緩和縮小は織り込み済みである。

実際のニューヨーク株式市場の動きを見ていても、足元では、米国マクロ経済指標で良い数字が出ると、「いよいよ緩和縮小」と解釈され、株安・ドル高に振れる。「良いニュースは悪いニュース」といわれるが、このような現象は、まさに短期マネーの発想である。「悪いニュースは良いニュース」の例も多い。
しかし、長期投資マネーは、米国経済好転ゆえの緩和縮小・引き締めへの転換と解釈する。
外為市場のベース・シナリオとしては、2014年3月頃の量的緩和縮小まではドル安、それ以降は、米国引き締め観測の元でドル高に振れやすい地合いとなろう。

さて、これからインド出張に出ます。
ツイッターで現地から写真など送ります。
最近はツイッターもご無沙汰だったけど、引き続き8700人のフォロアーがいました。
ツイッターで話題になったのは、昨日のブログに書いた「ごぼう茶」。
ケニヤあたりのもので欧州にはある、とか、カリフォルニア北部では自然食系の店で売られているとか。英語名でBurdock もしくはBurdock Root. 外国にもあるんだね。
インド出張には、ゴボウ茶から緑茶の2リットルボトルとか(インドで水にあたったことが以前あるから)、自家製のお稲荷さん20個とか、セブンイレブンの草大福・せんべい・カップヌードルなどなど。カレーも本場のカレーより、ココイチのカツカレーとかボンカレーとかカレーうどんが好きなんだよね。今回ばかりはNY出張と違うから、大型スーツケース引っ張り出して、中の半分は日本食!よく意外に思われるのだけど、国際畑が長くても、体質は極めてドメな日本人(笑)。毎朝、朝食は納豆、生卵、海苔、味噌汁。そして、おいしいお米が最大のごちそう。朝からクロワッサンとか出されると、その日の労働効率上がらず。休暇とっても、プライベートで行きたい場所は、外国はもういい。日本のひなびた温泉地(のそばのスキー場 笑)がいい。のであります。

2013年