豊島逸夫の手帖

Page1790 利上げを知らないディーラーたちの戸惑い

2015年2月24日

市場の注目がイエレン議長議会証言に集まる中で、NY市場関係者と話していると、現場は利上げを知らない世代が多い。
振り返れば、最後の利上げはグリーンスパン元FRB議長からバーナンキ前FRB議長時代の2004年から2006年にかけて。
2004年1月にFOMC声明文から「相当期間」金融緩和維持のconsiderableという単語が削除。
同年5月には「忍耐強く」=patientとの単語が削除。
そして同年6月30日に政策金利であるFFレートが1%から1.25%に引き上げられた。その後、大筋0.25%刻みの利上げが続き、2006年6月の5.25%で利上げサイクルが終了した。
そして、2007年半ばから約1年半でFFレートは0.00~0.25%のレンジまで急速に引き下げられ、現在に至っている。

そこで、今回2015年に予想される利上げだが、出発点は、ほぼゼロ金利の水準。
その後の利上げは、FRBが4半期ごとに発表する経済予測の中のドット・チャート(FOMC参加者の金利予測)によれば、2017年から2018年にかけて3~4%の水準まで段階的上昇が想定されている。
これは、過去に例を見ない超低金利レンジの中での利上げパターンだ。「極めて低い水準で、極めて慎重なペース」の引き上げとなろう。
二桁FFレート時代を思えば、隔世の感がある。
ここで、市場が気にしているのは、FRB予測と民間予測との間に0.5%から1%近くの差があること。
FRB予測が高すぎるのか、民間予測が低すぎるのか。
いずれ、どちらかに収れんすることで決着しよう。
問題は、その調整プロセスで生じる市場のボラティリティー(価格変動)だ。
イエレン議長自身も「金融正常化のプロセスでは市場の変動が高まる。」と明言している。
金利の上振れリスク、下振れリスクは、ただちに外為市場・株式市場に影響を与える。
特に「利上げ」を体験したことがない市場参加者は戸惑うことも多かろう。
このような市場環境の中で、注目は「いつ利上げ」もさることながら「利上げのかたち」も重視されている。
超低金利時代には0.25%の金利差でも、そのインパクトは大きい。
そこで、来月発表される、次回のFRB経済予測の中のドット・チャートが注目されるわけだ。

なお、今日明日のイエレン議会証言については、さまざまな観測が飛び交うが、ひとつだけ確かなことがある。
それは、利上げの最終決定は「経済データ次第」ということだ。
議員との質疑応答では、文字通り「忍耐強く」かんでふくめるように説明するイエレン議長だが、最後には必ず「データ次第」との言葉で締める。
仮に、今後のFOMC声明文から「忍耐強く」との表現が削除されても、「データ次第」は残るだろう。
最後の最後まで予断を許さない。
直近の経済データを見ても、1月雇用統計の量的質的なめざましい改善で、いよいよ「利上げ王手!」かと思われたが、その後の、小売りなど消費関連や住宅関連統計・指数は芳しくない。
バーナンキ前FRB議長時代にも、2013年9月FOMCで、テーパリング決定間違いなしとまで予想されていたが、結果は「言及なし」のちゃぶ台返し。はしごを外された市場は大混乱に陥った例がある。
「データ次第」の文言が消えるまで、市場は身構え続けることになろう。
金利を生まない金市場でも、利上げ未経験者が多い。
彼らは、おっかなびっくりだ。
早晩、慣れるだろうけどね。
慣れれば、今回の低水準の利上げなら、恐るるに足らず。

さて、昨晩は、前日の山菜・ふきのとうから、ガラッと変わって、
肉!!

2060a.jpg2060b.jpg熟成肉の塊を7人でガブリと食いついた(笑)。
ちょうど、京都から、らく山の大将が来ていたので、誘って、ワイワイ。
私の体も相場が荒れてくると、やはり、肉食系になる。
Once a dealer, always a dealer.

今晩は、夜10時からBSジャパン、「日経プラス10」の後半で、ギリシャ問題について詳説。地上波だとビデオ収録30秒あればいいほうだけど、BSだとスタジオ生出演で20~30分深堀り出来る。日経編集委員氏と。
そのギリシャ問題は、昨日締切のはずの、第一次改革案提出が、今日に延期になった。いやはや、ギリシャらしいね。腐敗・脱税などから手を付けるようだけど、肝心の、財政プライマリーバランス目標など数値目標は短時間でできるはずもなし。果たして、ドイツ側がOKをだすか。。。。ちょうど、OA時間の頃に、提出されるはず。

もう一つの写真は、可愛い猫ちゃん図柄の缶入りウイーン紅茶。
こちらは、肉食系で荒ぶるココロが癒される~。

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