豊島逸夫の手帖

Page1821 日経平均2万円から株買えるか

2015年4月10日

「相場に絶対はない。」といわれる。

しかし、ひとつ「絶対」といえることがある。

それは「上がり続ける相場はない。」ということだ。

だからこそ、いま、内外投資家が一番知りたがっていることは、日経平均2万円回復後のシナリオだ。

このまま、例えば、2万2千円まで一気に上げるシナリオは極めて少数派。かりに、そうなった場合は、まさに「官製相場のバブル」となり、反動の下げもきつく、逆V字型の展開となろう。

最も現実的な見方が、2万円から更に数百円、多くて千円ほど上げて、5~6月には調整に入る、というパターンのようだ。

筆者もテレビで2015年日経平均予測グラフを用意されたフリップに書き込まされる立場にあるので、他のプロたちが、どのようなグラフを書くのかも見てきた。おおむね、5~6月期は下向きの線が引かれている。

この下降線を回避できる唯一のシナリオが、日銀4月追加緩和説なのかもしれない。

調整の幅に関しては、1万9千円から1万7千円までばらつく。

ここでは、米利上げ、ギリシャのユーロ離脱、中国経済などのリスク要因の影響度で見解が分かれる。

但し、GPIF・日銀・郵貯などの大型マネーが下支えの構図に関しては、意見の一致が見られる。底抜けリスクは極めて小さい。

年後半に関しての見解は、いろいろあり、年末の日経平均予測も1万8千円から2万2千円程度のレンジでかなりばらつきが見られる。

年後半、米利上げ開始時に、世界の市場が、乱気流に見舞われるのか。市場関係者にとって、2013年5月23日のバーナンキショックがトラウマとして残る。FRB議長が「量的緩和縮小」に言及しただけで、日経平均が一日で1143円下げた。

この苦い経験があるからこそ、イエレンFRBは、市場とのコミュニケーションを重視して、「市場に優しい利上げ」の道筋を模索しているわけだ。

それだけに、米利上げに関しての、最大のサプライズは、今年の利上げが見送られる、というケースではないか。

日銀追加緩和に関しては、見方が完全に割れて、まとまらない。

このような状況で、日経平均2万円から買ってよいのか。

まず、欧米の年金もヘッジファンドは買いの姿勢が目立つ。但し、ヘッジファンドは5~6月には売り手仕舞う可能性がある。

米年金など長期マネーも当然、それを見越して、まとめ買いはしない。粛々と日本株のストックを増やしてゆく方針が見られる。

いっぽう、日本人個人投資家の多くは、今回も、また、のれていない。短い調整局面もガイジン投資家たちに拾われ、ほぞをかんでいる。リスク耐性が弱いタイプなので、米年金のごとく、徐々に買い増してゆくにしても、調整局面の下げを冷静に乗り切れるか。かなり心配だ。それゆえ、まずは、居酒屋・女子会3回分程度の金額の少額投資から始める「肝試し」を勧める。いまは、ETFなど、少額から始められる金融商品が発達しているからだ。

投資セミナーに通って頭でっかちになっても、いざ売買決断となれば勇気がいる。外食で1万円のフランス料理を食べる人が、1万円の投資を初めてするとなると、ドキドキするものだ。ここは胆力を鍛えるしかなかろう。お隣さんが株で儲けたからといって、焦るのだけは禁物だ。5年、10年の計に立てば、個人投資家は時間という最大の武器を持っている。ヘッジファンドのように決算期までには儲けねばならないという制約はない。

いっぽう、株式投資経験者は、大台突破したところで、いったん利益確定売りも選択肢だと思う。少しでも、儲けが懐に入れば、心理的余裕もできる。次の一手の銘柄選択も、慌てずじっくり構えるようになれるものだ。

理想形は、既に長期投資のスタンスで株を買い増してきた人たち。大台突破は通過点と素直に買い続行のスタンスを続けられる。

日経平均2万円は、「祝い事」程度の認識で受け止めよう。

ちなみに、NY連銀のダドリー総裁は、米利上げを「祝い事」と語っている。米経済がリーマンショックという急性の大病から回復し、FRB病院からの退院祝いの象徴というわけだ。

英語でセレブレーションという単語には、しばしば「新たな門出」の意味合いも込められる。

日経平均2万円回復も、長期的には新たな山あり谷ありの相場の出発点なのだと感じている。

金のほうは、ドル高で下落。

7日付日経朝刊商品面での予測どおりの動き。

あの記事は、1220ドル時点での取材だった。

殆ど皆が強気で、私だけが弱気だった。

そして、1100ドル台になった今、私も底値圏と感じる。

徐々に底値圏のレンジは切り上がってきている。

1100ドル後半の動き。

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