豊島逸夫の手帖

Page1827 「いまこそ金投資」と「便失禁に朗報」のコラボ?!

2015年4月21日

先週から、最近私の周囲が騒がしい、と書いてきましたが、今日発売の週刊朝日に「いまこそ金投資」という大ぶりの記事が載ってます。

表紙に「いまこそ金投資」。その下に「トイレに間に合わない。便失禁に朗報」。ふーむ、週刊誌読者の年代がエレベーター式に上がっていることの象徴的現象か(笑)。 シニア読者が多いので、資産運用ネタの記事が増えていることも事実。


さて、今日の本文。↓

上海株式市場で、先週金曜日に過熱する株価抑制のため空売り規制が緩和されたが、週末には、中国人民銀行が抜き打ち的に銀行準備率を大幅(1%)に引き下げた。株バブル予防的措置を導入しつつ、過剰流動性による株バブルを醸成しかねない金融緩和政策をとらざるをえない。ここに、今、中国経済がかかえるジレンマが透ける。

マクロ的に見れば経済成長鈍化による雇用への影響を最小限にとどめつつ、輸出・公共工事依存型経済から内需主導型へ戦略的転換を図る綱渡りを強いられている。

腐敗撲滅はダイヤモンドなど高級品消費を冷やし、公害対策はインフラ建設部門にブレーキをかける。どちらも経済成長率への寄与度が高いセクターだ。

マクロ経済の過剰ストック調整過程は失業を生み、社会不安が生じる。シンセンなど産業都市では解雇事例が顕在化しているが、いっぽうで人件費は上昇傾向だ。中国の東部沿海地域と西の内部地域のいわゆる「東西格差」も縮小しない。

金融部門では、インフレは鎮静化したが、消費者物価上昇率が1%前後まで低下するとデフレ懸念が台頭する。しかも、地方自治体の巨額債務、それを支える影の銀行、そのシャドーバンクが組成した、これまた巨額の理財商品デフォルトリスクなどの構造的問題は容易に解消されない。

不動産バブル破たんも底打ちの気配は見えるが、基本的に低迷状態である。不動産から流出したマネーは株式市場に向かい、上海株は爆上げの様相を呈した。

なにせ、中国人個人投資家は大規模な初心者集団で、ネズミの大群のごとく動く。筆者が実際に上海で投資セミナー講師を務めたときに感じたことだが、「株が面白そう。」と思うと、翌日には証券会社で株式を購入する。あれこれ考え過ぎて、結局買えない日本人個人投資家と対照的な投資行動だ。

当局の態度も、まず規制ありきである。

筆者が、取引所幹部に為替貴金属市場動向についてアドバイザーとして講義したときのこと。投資家・生産者が売れば、価格は下がる、との段で、待ったがかかった。「それは違う!売らせなければよいのだ。」いかにも、共産党への貢献度が高いことに対する報奨人事で天下った人物らしい発想である。

取引所レベルでは、規制の強化・緩和で暴れる個人投資家たちをコントロールする。

しかし、不動産に加え株価まで下がると、負の資産効果が強まり、マクロの消費が委縮してしまう。

そこで、銀行準備率を引き下げ、銀行システムの外にマネーを滞留させれば、ネズミの大群が再びリスク資産市場で暴れることの放置ともなりかねない。

かくして、マクロの視点で上海株乱高下を見れば、もはや中国国内問題の域を超え、世界株式・経済のリスク要因となりつつあることは明らかだ。暴騰した中国株市場で、お行儀良く利益確定売り或いは空売りが進行するシナリオが見えない。暴落ともなれば中国経済の軟着陸が困難になる。


なお、日本株を日銀が買い支え、大量に保有する質的緩和政策も、やはり出口戦略が見えない官製相場リスクをかかえる。

怒涛のごとく売りに買いに走る個人投資家を規制する中国。

相場に乗って買えない個人投資家に代わり、日銀が株を買う日本。

民族的DNAにより、投資行動は異なるが、どちらも民の市場に官が介入し価格の歪みが生じるリスクをかかえる点では共通項がある。

金はやはり1200ドル再度割り込んだ。

昨日はドル高の日だったから。

そして、トムソンロイターGFMSの恒例ゴールドサーベイが金価格見通しを書いているけど、ほぼ私が語ってきた相場観と同じだった。

2015年平均1170ドル。

先日紹介した日経朝刊商品面記事で述べた「2015年は1100ドル台後半」とのコメントとほぼ同じ水準。

更に、GFMSは2016年1250ドル。

上げの理由は中国インドの買い。

これも私と同じ相場観。

なお、週刊朝日では、東京オリンピックの年にグラム7000円という、おなじみのコメントが載ってます。

さて、今日の写真は、昨日紹介した東洋経済インタビューと週刊朝日の表紙。

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そして、昨晩の我が家の手作り餃子。

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旨い!毎週1回は食べるね。お好みやきも週一。週二のときもある。ニラ多めだったので、明後日まで匂うかも。アテネ行きの機上で隣になる人、可哀そうw

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