豊島逸夫の手帖

Page1861 どうなる、ギリシャ発世界同時株安

2015年6月16日


ギリシャ・デフォルトの可能性が日に日に高まってきた。

現状では、債権団とギリシャ側とも、自らの主張を繰り返すだけで、最終着地点が見えない。

18日のユーロ圏財務相会合が最後の交渉の場といわれるが、合意に向けた根回しの本気度も感じられない。

このままゆけば、6月末のIMFからの融資一括返済も殆ど出来そうにない。更に、第二次救済の残額72億ユーロの融資再開交渉も、ギリシャ側の改革案と債権団の要求の溝は深く、延長期限の6月末までの合意は極めて困難な情勢だ。(ギリシャ案と債権団案の詳細については、15日付け本欄「今週ギリシャ決裂と利上げ示唆が重なると、どうなる」にまとめたので参照されたい。)

このまま妥協が成立しないと、まず、6月30日に、IMFへの一括返済遅滞。そして、第二次救済プログラムも、残額を残したまま、終了ということになる。


更に、7~8月に大量償還を迎える欧州中央銀行(ECB)保有のギリシャ国債についても、デフォルトの可能性が強まる。

この時点で、とりつけを予防するため、強力な資本規制が実施されるだろう。キプロスの例から推せば、2週間銀行が閉鎖になるバンクホリデーが実施され、再開後は、預金引き出し額が一人300ユーロに制限される。この預金封鎖を前提に、ECBはギリシャ民間銀行破たん回避のため最低限の緊急流動性供与(ELA)は継続すると見られる。

その時点で、ギリシャ国民の不満もピークに達するだろうが、決められないチプラス首相は、ユーロ離脱について国民投票を実施するかもしれない。

そうなると、8~9月にギリシャのユーロ離脱懸念が現実味をおびる。

この問題はFOMCの利上げ開始時期にも影響を与えることになろう。かねてから、「国際要因」も考慮されることが声明文に明記されているからだ。

ユーロ離脱懸念が高まり市場が神経質になっている状況で、果たして、9月利上げ開始を強行できるだろうか。

デフォルト、即、ユーロ離脱とはならないが、ユーロ参加国の債務不履行が現実となれば、これは重い。


もし、このシナリオに「ちゃぶ台返し」があるとすれば、NATOからの強力な圧力か。バルカン半島最南部でのロシアの影響力増大のシナリオだ。

既に、最近でも、プーチン・チプラス電話会談が報道された。

ロシア側は、みずから救済する経済力に欠けるが、BRICS銀行(AIIBのBRICS版)を通じての融資の可能性をほのめかしている。更に、欧州への天然ガス供給パイプラインで、ウクライナを通さないサウス・ストリーム(南回り)をギリシャ経由にする案をちらつかせている。

そもそも、チプラス首相が、ここまで強硬に救済交渉に臨んできた背景には、ロシアという切り札を持つから、という見方もある。

(米国を含む)NATOの圧力で、急転直下、ギリシャ債務削減合意というシナリオも絵空事とはいえない。

かくして、ギリシャ情勢は、最終段階を迎え、市場の緊張感は高まっている。15日の株式市場も、ギリシャが重荷となり、世界同時株安現象となった。

これまで、比較的ギリシャに関しては、楽観的であった米国市場も、15日寄り付きには瞬間的にダウ平均が200ドル以上急落して、市場のリスク回避モードを強める一幕もあった。

但し、中期的に見れば、ギリシャ問題による下げは一過性と見られる。デフォルトしてしまえば、瞬間的なショック効果は無視できないが、市場の材料としては、陳腐化も速い。リーマンショックのような世界市場に伝染するシステミック・リスクではないからだ。

ギリシャ国債も殆どがソブリン(公的機関)により保有されており、民間への直接的影響は限定される。

「ギリシャ、デフォルト」などのキーワードでアルゴリズム取引が発動され、瞬間的乱高下が生じがちな地合いだが、冷静に臨むべき局面である。


金は、6ドルほど上昇して、1180ドル台。

米利上げがジワリ相場を抑えている。

いざ、デフォルトになれば、上がるだろうね。


さて、今日の写真は、祇園らく山の、ハモと茶団子のお吸い物。明石のタコのおつくり。賀茂ナス。


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関西の仕事は、食い物に釣られて、大歓迎(笑)。


それにしても、風邪が治まらず。頭痛いは、鼻はつまって重いは、熱でだるいは。葛根湯飲んで、花梨はちみつに、ショウガ擦ってタップリ入れて飲んで。これが私の対処法。しかし、仕事面で集中力が途切れるね~。

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