豊島逸夫の手帖

Page2441 中国リスク パート2

2017年11月28日


急落した上海株が今日は引けにかけ、なんとか持ち堪えた。しかし、中国の市場異変は欧米市場にも波及。欧米株売りの材料となりリスク回避の円高も誘発している。北朝鮮ミサイル発射"予測"報道が更に市場の不安感を増幅させ、金は買われる環境になっている。金価格は1290ドル台まで上昇。


さて、その中国経済だが昨日は金融市場目線でマネーの流れに着目した。
そこで今日はモノの流れ=コモディティー目線で吟味してみたい。
となると、やはり中国で鉄鋼や石炭の生産が増えすぎて供給過多となり、政府が年間生産量に上限を設けて供給削減に動いていることが挙げられる。その結果、中国の「ラストベルト」とも言える北東部では、工場の閉鎖が相次ぎ失業者再雇用のための職業訓練などが大きな政治問題となっている。労働者の抗議集会なども常態化してきた。とは言え、製造業依存型の地方経済構造を変えるのは難題だ。習近平政権は中国型地域振興策を打ち出して、新たな産業基盤醸成を後押ししているが、そう容易い話ではない。そもそも鉄鋼・石炭などの生産過多の背景には、金属資源などを使いまくって要らぬテーマパーク建設などに走った地方政府の存在がある。その地方政府の資金調達を支えたのが大手商業(国策)銀行や影の銀行(シャドーバンク)であった。
更に不動産バブルを抑制するために、住宅ローンを規制して住宅取得制限を強化してきたことも経済成長には逆風となっている。住宅産業は経済成長率に大きな影響を与える基幹分野だ。住宅建設が減れば、直ちに現場労働者の間では失業者が急増する。それがひいては党長老の最も嫌う社会不安となる。
2018年は習近平政権が構造改革と経済成長の二つの政策目標を同時達成できるかが試される年になろう。現実的には両者の同時達成は無理筋だ。どちらか習近平氏も選択を迫られる。そして優先順位が明確になると、その結果満たされぬ政策目標の後始末が市場のリスクとなる。


さて、今年もそろそろ12月の年末を迎えます。私の近況は相変わらず個人事務所のバタバタ続き。年内のアポ・スケジュール予定表は海外出張も含め全て埋まりました。かなり積み残しがありますがご容赦。レスしていないメールや留守電など未だ残っているのですが物理的に無理です。このブログ読者には業界関係者も多いですが年内で緊急の案件は週末打ち合わせとなります。働き方改革で週末は働けないという人は来年にしましょう。

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