豊島逸夫の手帖

Page2539 中国ミレ二アル世代の悩み

2018年4月27日


中国大手銀行のアドバイザーを務めて多数の若者たちと接し話してきました。貴金属プロジェクトチーム20名の殆どが20~30代。私だけが突出した「おっさん」という状態なので、息子娘が父に相談するような感じで色々身の上相談も受けるまでに親しくなりました。
そこには日本人として既視感のあるような若者の姿がありました。


例えば30代の女性で未婚だと「出遅れ」のレッテルを貼られる。親も心配してあれやこれや結婚について口出しする。
日本では今や三十路になったから結婚せねばみたいな切迫感は薄いですよね。働く女性としては、経験も積んで仕事に乗ってきた年頃でしょう。

それが中国だと叔父さんや叔母さんまで早く結婚相手を探せ、子供を産めとプレッシャーをかけてくることも未だに珍しくないと言います。


「お受験」もこれまた激烈なようで、良い学校を出て良い(と思われる)会社に就職することを期待されるのです。何せ一人っ子政策が30年も続きましたから、一人の子供に対して父母、祖父祖母の4人の財布から教育費が支出されるようだと、子供一人の教育費に1000万円以上つぎ込むことになります。実験学校、日本流に言えば予備校・塾みたいなところが大繁盛。特に実験校によっては、そこを卒業すると自動的にグループ関係の有名校への入学資格が得られることもあります。学校の先生も実験校の教師の方が報酬が高いので、本業そっちのけで塾の先生業に時間を費やす傾向もあるようです。ついには新築マンションの中に、そこに住めば自動的に有名実験校の入学権が付いてくるというセールスまで出始めました。通常のマンション価格より3割ほど高いのに、完売です。


マンションと言えば、中国ではマイホームを所有していないと結婚資格なしというほど不動産への執着が強い。まずはコツコツ働いて、住居を取得してから結婚の相手探しとなります。或いは相手が決まっていてもマイホームを購入するまで結婚は待たねばならない。そのためになけなしの蓄えを株式投資や商品先物投機に廻し、大損して結婚をあきらめるという何とも切ない事例もありました。「どうしたら今の貯金を倍にできるか。」と切羽詰った質問をよく受けましたよ。そんな旨い話はない!と一蹴したものです。
不動産バブルでお目当ての物件の価格が倍になってしまい手が出なくなったという話もいくらでもあります。


ネット世代ですから中国版ツイッター(ウェイボー)のようなSNSへの書き込みも多いですね。それが当局により削除されるということにも慣れきっています。
思わず笑ってしまった事例は、お茶の名前で「30で独身で何が悪い茶」とか「親から文句言われる筋合いない茶」とか長い名前がついてそれが人気ということ。そういうところで鬱憤晴らしかと思うと可哀そうにもなりました。
社会主義国家でも若者の本音は日本と変わらないと感じています。


「金」についても特に24K純金とか22Kとか高い純度にこだわりません。金よりプラチナの方が「クール」というOLも北京や上海には多いです。

日本のファッション誌が出回っていますから大都市だとファッション感覚は日本人とさほど変わらない。それでも純金にこだわる若者も多いことが日本と異なる点でしょうか。北京の最新ショッピングモールの入り口一等地にスタバ、ケンタッキーと並びチャイナ・ゴールド(金販売全国チェーン)が出店していることが印象に残っています。


さて、私は5月の第1週と第2週とNY出張になります。日本株についてのレクチャーを頼まれているのですが、いい機会だからヘッジファンドや年金基金の個別訪問もやってきます。セルサイド(販売業者)のセールストークにはうんざりという連中が自由な立場からの本音を私から聞きたがるのですよ。事前に寄せられた質問の中には「大阪のスクール問題」というのがあって、これって森友のこと?と思わず苦笑しましたよ。勿論金関係の連中にも会ってきますからブログやツイッター@jefftoshimaで現地から色々呟くことになるでしょう。

ページトップ