豊島逸夫の手帖

Page2541 NYで感じるマネー潮流の変化

2018年5月2日

「2年満期で年率2.5%なら悪くない」

投資マネーが先行き不透明な市場環境の中で短期米国債への選好度を高めている。ゼロ金利に慣れ低イールドの模索が長く続いたマーケットは2.5%の重みを実感している。10年債では満期まで持ちきれず、債券安(キャピタルロス)のリスクが高い。2年満期ならなんとか持ちきれそうとの感触だ。

株式市場はボラティリティーが高く、確実に年2.5%得るのは難事でもある。

総じて政策一貫性に欠け朝令暮改を繰り返すトランプ大統領に比べれば、パウエルFRB議長の動きの方が相対的に読みやすい。2018年の利上げ回数が3回か4回か程度の振れであれば許容範囲内とも言える。

市場のテーマもQE(量的緩和)からQT(量的引き締め)にシフトした。FRBは資産圧縮も粛々と実行してゆく。

ドルインデックスも92の大台を突破して200日移動平均線を突破した。最も取引の多いユーロ・ドルの通貨ペアもユーロが1.20の大台を割り込んだ。

2週間ほどNYに出張中だが、ドル安からドル高への潮目の変化を市場内で実感している。ドルの代替通貨とされる金の価格も急落。1300ドル大台攻防の局面を迎え弱気派が急速に台頭している。ドル高により原油も含めコモディティー全体に売り圧力が強まりそうだ。

なお日本株見直しも静かに進行中だ。ヘッジファンドのグループから日本株に関する勉強会のナビゲーターを依頼されている。米国株の値動きが荒すぎ欧州株もドイツ経済の軋みが気になるので、選択肢として日本株が消去法ながら浮上しているのだ。日本国内政治リスクへの注目度は高くない。市場も政治スキャンダルならトランプ大統領の言動でリスク慣れしている。北朝鮮問題急展開も懐疑論が根強いが、欧米市場から見れば基本的には日本株にとって追い風とされる。地政学的リスクはイランなど中東関連要因が相対的に強い。貿易摩擦リスクも重要視され、現在進行中の米中直接経済対話の結果をマーケットは見守っている。

5月は売り(sell in May)と言われるが、今年の5月は動くな(stay in May)との声も聞かれる。米国短期債へのネー逃避も暫く続きそうだ。

なお金価格については下がっても下値は限定的。地政学的リスク、インフレ懸念は収まらず、安くなれば金をヘッジで仕込んでおくとのインセンティブはヘッジファンドに根強い。

さて5月は売り(sell in May and go away)と言う相場格言は筆者がブログで紹介した頃は誰も知らなかった。そもそもはポール・サイモンが「ニューヨーカーの最大の贅沢は気候がベストの5月に休みを取ること。」と語ったこと。正に今日のNYがそれ。快晴。20度程度。低湿度。風が実に心地良い。「相場なんぞ仕舞いにして、そうだ、京都に行こう(笑)。」みたいな気分になるね。アメリカの京都と言われるチャールストンでも行くか(サウスカロライナ州)。今回のホテルは国連前。37階の部屋からイースト・リバー、国連ビル、新ワールドトレードセンター、エンパイアステートビルなどが見える眺望絶佳。NYで働いていた頃は近くのサットン・プレースに居たので懐かしい。

それにしてもマンハッタンは古いビルが多く、スカイラインもあまり変わらないね。インフラが古く不便。大手町・丸の内などの変貌に比し、昔ながらの街だと思う。新興国のホテルの方が遥かに新しく、ネット環境もバスルームも居心地が良いな~~。早速バスタブにお湯が溜まらず電話で修繕依頼となった。今回は2週間ほどの長めの出張なので、カップヌードル、お稲荷さん、もみじ饅頭まで使い捨ての大きな袋にしこたま入れこみ持参している(笑)。夜中急にお腹が空いたりするからね。

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