豊島逸夫の手帖

Page2686 貿易戦争、新展開、初の逮捕者

2018年12月6日

これぞ米中貿易「戦争」を実感させる展開だ。

中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)社CFOで創業者の娘がバンクーバーで逮捕された。米国の要請でカナダ側が動いた。容疑はイラン向け違法輸出。米国側は引き渡しを要求したという。

米中貿易戦争の核心は世界ハイテク覇権争いであることを象徴する出来事だ。

関税合戦より重い。

中国国家プロジェクト「中国製造2025」の核心を突く事件ゆえ中国側も妥協はできまい。中国側のハイテク産業育成策は、ブエノスアイレスでの米中トップ会談でも議題となっているが、中国側は沈黙を保ち事実上拒否の姿勢を見せている。

もうひとつの中国通信機器大手ZTE社にも、米商務省は4月に対イラン違法輸出の容疑で米国企業との取引を禁じた。その結果ZTE社の経営が一気に悪化した。

対して、今回は中国企業幹部の身柄を拘束する手段に打って出たので、貿易戦争もいよいよ実戦突入の感がある。

日本での日産ゴーン元会長の逮捕・勾留の手段・待遇が欧米では批判されている折り、企業幹部逮捕の仕方についても何かと対比されそうだ。

なお、ファーウェイの製品はマーケティング戦略で日本・ドイツなどではかなり普及している。米国側は既に日本を含む同盟国にファーウェイ製品不使用を呼び掛ける説得工作に動いている。私のタブレットもファーウェイ製品だ(笑)。

更に、同社の半導体はグーグルのアンドロイドや米クアルコム社製品に使われるなど米国企業との取引も浅からず。既に米国は政府購買品リストから同社製品を外している。

同盟国の経済構造の中に中国通信製品が入りこむと、中国側からの不正な通信傍受や意図的な通信妨害など国家安全保障上の問題が生じる可能性を米国側は危惧している。

この問題はブッシュ元大統領葬儀休日明けのNY市場で不安材料視されそうだ。

さて今日の写真は紅葉の京都ゴルフ倶楽部上賀茂コース。私のお気に入りゴルフ場で春秋にはゴルフ合宿をしている。

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