20202

27

ESSAY

昨年は「米中対立で、なぜ金の価格が上がるのか?」という記事の中で“有事の金”に言及しましたが、2020年の年明け早々、それを実証するような出来事が起こりました。米国がイラン革命防衛隊の幹部、ソレイマニ司令官を暗殺した事件のことです。米中は“経済戦争”ですが、こちらは武力を行使した文字通りの“戦争”になりかねず、マーケットにも緊張が走りました。金投資の面でも大変示唆に富む出来事になったので、今回はこ...
20201

30

ESSAY

前回の記事では、活況を呈す金のリサイクルの話題を取り上げました。金は腐食しないので、有史以来採掘された分は、地上のどこかに何らかの形で残っています。こうした“地上在庫”はオリンピックサイズ・プールの約4杯分あると言われ、金価格が上がると、家庭でタンスの肥やしになっていた金が一気に市場に還流してきます。リーマンショックやギリシャ危機で金価格が1オンス=2000ドル近くまで上昇した時、リサイクルは年間...
201912

26

ESSAY

先日、テレビのワイドショーに出演し、「あなたの家に眠っている“お宝金製品”が高く売れるかもしれませんよ。」という話をしました。後で聞いたのですが、番組放映時から各地の貴金属店では問い合わせの電話が鳴りっぱなしだったそうです。女性向けのジュエリーをはじめとして、家庭内の金製品もしくは金と思しき製品は意外と多く、視聴者の皆さんは「うちにもある!」、「お小遣い稼ぎができるかも!」と考えたのでしょう。思い...
201911

28

ESSAY

金はなぜ“資産防衛”に有効なのか

豊島 逸夫
Itsuo Toshima
2019年の金価格の歴史的上昇の背景にあるのは、世界中で日替わりメニューのごとく有事が勃発して投資マネーが安全資産である金に流れ込んでいること、そして、マイナス金利で「利息を生まない=ゼロ金利」の金がハイイールド(高利回り)の運用先とまで言われて選好されるという珍現象が起きていることだと、前回お話しました。そこで今回は、こうした先行き不透明な時代の“資産防衛策”としての金について解説したいと思いま...