2016年6月のマーケット概況

2016年6月のマーケット概況

海外金相場

金相場は1,210ドル付近でスタート。1日に発表された米国5月のISM製造業景況指数が市場予想を上回る結果だったことを背景に、同国の早期利上げ観測が強まり、金相場は上値を抑えられる展開となった。その後も米経済指標がまずまずだったことや欧州中央銀行(ECB)の追加金融緩和観測から対ユーロでドル高基調に推移したことから1,210ドル前後で推移。しかし、3日に5月の米雇用統計の結果が低調だったことが発表されると、早期利上げ観測が後退し対ユーロでドル安が進行したことや、世界的な株安や原油相場の下落などから安全資産としての金需要が高まり、1,240ドル付近まで急騰した。その後は英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票で離脱派が優勢との事前予想の報道から世界的な景気後退不安が広まったことや、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げに対する慎重姿勢から、16日には1,315ドル付近まで上昇する場面もあったが、利益確定の売りや、英国でのEU残留派議員射殺による残留派優勢との報道により20日には1,280ドル付近まで急落した。英国の国民投票直前には、最新の世論調査で残留派優勢とされたことから離脱懸念が後退、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、安全資産としての金需要が減退し1,255ドル付近まで下落した。しかし、24日の国民投票の結果が市場予想に反してEU離脱となったことを受け、世界経済の先行き不透明感から安全資産としての金相場に買いが殺到し、一時1,360ドル付近まで急騰した。週が明け、引き続き安全資産としての買いが優勢となる一方で、高値圏での利益確定売りにより一時1,305ドル付近まで値を下げる場面もあったが、世界的な経済の不透明感だけでなく、英国のEU離脱決定で米国の追加利上げが遠のいたとの思惑が下支えとなり、1,320ドル付近で6月の取引を終了した。月内レンジは1,205-1,360ドル。

海外プラチナ相場

プラチナ相場は970ドル付近でスタート。前月末からの軟調な地合いを引き継ぎ、一時955ドル付近まで下落した。しかし、3日発表の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回ったほか、米ISM非製造業景況指数も下振れするなど、軟調な米国の経済統計から同国の追加利上げ観測が後退し、対ユーロでドル安が進行したことで、金相場と同様にプラチナ相場も急伸し980ドル後半まで値を戻した。その後、米雇用統計の弱い内容を受けて金相場が値を上げるのに連れる形で1,000ドル付近まで上昇するも、金相場の下落に追随し値を下げる場面もあった。その後、欧米の株価上昇から1,000ドルを回復すると、再度上昇した金相場に影響され、また対ユーロでのドル安から一時1,020ドル付近まで上昇した。 しかし、その後は高値圏での利益確定の売りが優勢となったほか、世界的な株安、対ユーロでのドル高基調から再び1,000ドルを割り込み980ドル半ばまで下落した。英国のEU離脱の国民投票で離脱派が優勢との報道から上昇した金相場に連れて990ドル半ばまで上昇する場面もあったが、世界的な株式相場の下落や原油相場の下落から再び970ドル前半まで値を下げた。その後、15日発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、政策金利の据え置きが決定されると、980ドル台へ再び上昇するも、利益確定の売りや軟調な米株式相場に圧迫され、17日には960ドル付近まで下落した。20日の週には、欧米の株式相場の上昇や、対ユーロでのドル安から990ドル付近まで上昇する場面もあったが、英国の国民投票を巡り、残留派優勢の予想から軟調に推移した金相場に影響され960ドル付近まで下落した。しかし市場予想を覆し、英国のEU離脱が決定すると金相場に連れ一時1,000ドル台を回復した。その後、欧米の株式相場が堅調に推移したことが好感視され、1,030ドル付近まで上昇し6月の取引きを終了した。月内レンジは955-1,030ドル。

海外銀相場

銀相場は16.00ドル付近でスタート。米ISM製造業景況指数が市場予想を上回るなど良好な経済指標を背景に早期利上げ観測が強まり、下落した金相場に連れ、銀相場も値を下げる展開となった。その後は安値拾いの買い戻しが入るなど、小幅に上昇。さらに、3日発表の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回り、米ISM非製造業景況指数も下振れするなど、軟調な経済指標から追加利上げ観測が後退したことで急伸した金相場に追随し16.40ドル付近まで上昇。7日には世界経済の鈍化懸念から値を下げる場面もあったが、為替の影響や世界的な株安、原油相場の下落から金相場が値を上げたのに連れる形で17.40ドル付近まで上昇した。13日週には英国のEU離脱を問う国民投票を翌週に控え様子見ムードが漂ったが、16日には米国の追加利上げ後退観測を受けて金相場と同様に17.80ドル付近まで値を上げるも、取引終了にかけて売られる展開となり17.20ドル付近まで急落した。20日週になると一部の世論調査での残留派優勢との報道から金相場が値を下げたことを受け、銀相場も17.30ドル前後で軟調に推移していたが、国民投票の結果、市場予想を覆し英国のEU離脱が決定されると、金相場と同様に18.30ドル付近まで急騰した。最終週には高値圏での利益確定売りや、投機筋と思われる買いが入り乱れる場面もあったが、英国のEU離脱による世界経済へ与える影響が不透明なことや、それにより米連邦準備制度理事会(FRB)が当面利上げを見送るとの思惑が下支えとなり、金相場が上昇したことに影響され18.80ドル付近まで上昇し6月の取引を終了した。月内レンジは15.80-18.80ドル。

為替相場

ドル円相場は110.70円付近でスタート。月初、日本の消費税増税の延期報道を背景に円安基調で推移していたものの、安部首相の会見内容に対する失望感から109.00円付近まで買い戻された。3日に発表された米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回ったほか、米ISM非製造業景況指数も下振れするなど、米国の追加利上げ観測が後退したことから、106.50円付近まで急激な円高となった。週明け6日、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が講演で具体的な利上げ時期への言及を避けたことで目先の追加利上げが遠のいたとの思惑から、前週に引き続き、円買いの流れが続いたが、講演終了後にダウ平均が上昇すると、一転して107.80円付近まで円安となった。しかしその後は、翌週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ観測の後退や、米長期金利の低下から再び円が買い戻され、106.40円付近まで円高となった。13日の週に入り、英国のEU離脱派優勢との報道や、FRBがFOMCで追加利上げを見送ったこと、日銀が追加の金融緩和を見送ったことから103.55円付近まで買われる場面もあった。しかしその後は、英国でEU残留派の議員が射殺され、残留派が優勢になるとの思惑から104.20円付近で推移した。20日の週には、英国の国民投票を週末に控え、様子見ムードが漂う中、104円台で推移。国民投票が始まると、残留派優勢の思惑から106.80円まで円安となったが、開票が進むにつれ離脱派優勢の気配から円は買い戻され、離脱派の勝利が決定すると、世界経済の先行き不透明感や金融市場混乱の警戒感からリスク回避姿勢により、一時99円台まで円高に推移し、2013年11月以来の高値を付ける。最終週には英国のEU離脱が世界経済へ与える影響の不透明感が強いものの、市場の過度の警戒感が一服したことや、欧米の株式相場が堅調に推移したことなどから、最終的に103.20円付近で6月の取引を終了した。月内レンジは99.00-110.80円。

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