構造要因のボディーブロー

Page290 構造要因のボディーブロー

2007年4月25日

700ドル直前の680-690ドル台で足踏みが続いている。足踏みもせずに大台を突き抜けるよりは健全なマーケットの動きと言える。上海発世界連鎖株安直後630ドル台まで急落したところから、ほぼ10ドル刻みで足場を固めながら登ってきたペースが継続している。

引き続きこれといった決定打要因には欠ける展開だ。例えば、ホルムズ海峡封鎖などという特定の突発的地政学的材料に触発された上げではない。 これまで金価格を引っ張ってきたお馴染みの色々な長期構造要因(ドル離れなど)が、じわじわボディーブローのように効いている地合いといえようか。それゆえ、一過性の材料のごとく陳腐化はしにくい。突発性の急性発作の症状は見られず、マーケットのセンチメント(雰囲気)も700ドル大台挑戦中というわりに静かである。

なお、NY先物買い残高が400トンの大台を突破した。上海発世界同時株安直前の690ドルへの急騰時を上回る買い残の水準だ。あの時も調整必至としたが、今回も同様の様相。ただし、前回より底は浅く、上げ底となっている。680ドルを割り込めば、現物先物ともに徐々に新規買いが入るほどに高値慣れしている。

NY先物買い残も調整売りが入っても300トンまでは落ち込まないだろう。それだけ、リスクマネーの回転が早まっている。下げリスクとしては引き続き米経済スタグフレーションの兆候が顕在化するケースを頭の隅に入れておこう。