膨張する中国の米国債保有

Page1521 膨張する中国の米国債保有

2013年11月20日

2013年9月の国別米国債保有は、中国が引き続き第一位で1兆2938億ドルと前月比257億ドルの増加を記録した。今年6月から8月にかけて頭打ち傾向であったが、再び米国債購入を加速させている。
僅差の2位が日本で1兆1781億ドル。9月の月間購入額は290億ドルと中国を上回る。
三位以下の新興国群の保有額は2000-3000億ドル台なので、中国と日本が米国債を支える構図が鮮明である。
筆者は、2002年以来、中国の取引所や銀行のアドバイザリーを務める過程で、この米国債を含め3兆6600億ドルまで膨張している外貨準備を運用している国家外貨管理局の担当者たちにも会ってきた。彼らは官僚というイメージからは程遠いアルマーニのスーツをビシッと決め込み、さながらウォール街のアジア系投資銀行マンのいでたちである。年の頃は30代半ばであろうか。聞けばオックスフォードやハーバードでMPT(近代ポートフォリオ理論)などを学んでいる。

しかし、この運用集団が、謹慎処分のような身に置かれたこともあった。
彼らは、07年、米国債一辺倒の運用からの分散を目指し、中国政府系ファンド経由で米国投資ファンドのブラックストーンに30億ドル投資した。ところが翌08年に同社の時価総額は購入時の50%にまで目減り。その損失を取り戻そうと、次はモルガンスタンレーに50億ドルを入れて更に損失を拡大させる結果になったのだ。
激怒した党の長老たちは、アメリカナイズされた若者集団に日本流にいえば「蟄居処分」を下した。その御沙汰が解けた09年、中国の外貨準備増加が加速する中で、再び運用の多様化が図られた。新たに分散運用先に選ばれたのがユーロ。その当時は米ドルの覇権に対抗できる唯一の通貨と見られていたわけで、当然の選択といえた。しかし、結果は、ドル不安でユーロに駆け込んだところ、その駆け込み寺が火事というような結果になってしまったわけだ。
その後、消去法的に「円」という選択肢が浮上して、日本国債を購入する局面もあった。
しかし、3兆ドルを超す規模の外貨準備を受け入れる流動性を持つ市場は、米国債以外にはない。
とはいえ、人民元のオフショア市場創設など自国通貨自由化を促進させ、米ドルに対抗できる通貨としての地位確立を目指す長期的計画も徐々に進行してきた。15日に中国共産党が公表した中央委員会第3回全体会議(3中全会)の決定文では、人民元の中国本土におけるオンショア市場での価格形成の「市場化」も明記された。現在は貿易決済に限定され、中国人民銀行が統制しているオンショアの人民元相場(CNYと呼ばれる)も、規制緩和近しとの期待が強まり、香港・英国などのオフショア市場で人民元相場が上昇しているほどだ。
欧州債務危機のテールリスクも後退しつつあり、ユーロへの分散再開の観測も流れる。
外貨準備として金を購入する動きも見られる。
長期的には、米ドル離れが緩やかに進行しそうだ。

さて、昨日は終日飲み食いしながらの打ち合わせ(笑)でした。
ミッドタウンの糖朝で飲茶・お粥のランチ→虎屋で季節の生菓子と抹茶→三越フォートナム&メイソンでケーキとダージリンのグリーンティー→赤坂の「津やま」で夕食
いやはや、帰宅までにはお腹いっぱい。
「津やま」は、赤坂の一角に昔からある普通の構えの割烹。歴代首相が普通の夕食を食べにくる店で知られる。昨晩は某大手企業トップとの夕食だった。きんぴらごぼう、笹がれい、やきとり、ぶり大根など、ごく普通の品々がメニューに50種類くらいならび、アラカルトで注文する。価格表示がない。あれやこれやで一人3万円はかかるらしい。ごちそうさまでした。

それから明日発売の日経マネーとダイヤモンド・ザイの両方に金別冊あり。私が女性タレントとの巻頭対談から、長い知り合いのシティー為替シニアアナリスト尾河眞樹さんとの為替対談、亀井幸一郎・池水雄一と3人の貴金属対談など、いろいろやってます。
今回のマネー誌は、校了後、株(日経平均)が1週間で1000円も急騰したから、かなり悲惨な記事もあり。デッドクロスで下値不安、とか、15000円は当てたけど、予想グラフが12月半ばにピークで年末は急落となっており、これでは、もう株は発売時にピークを打ち、後は下落一方みたいなシナリオになる、などなど。マネー誌はなんといっても株だからね~
いやいや、私も笑っていられません。マネー誌は校了から発売まで2週間くらいあるので、その間に、市場が激変すると、書いた原稿が気の抜けたビールみたいになることも。これは活字媒体の宿命だね。幸い、金別冊のほうは、貴金属・為替ともに2014年展望みたいなコンテンツなので(年内予測など無謀なことはせず 笑)、無難に収まっております。貴金属プロ対談は3人が同じではメリハリもなかろうと思い、私が英語でいうところのdevil's advocateになり、あとの二人と違ったスタンスで喋ったけど、結局、予想レンジは大して変わらなかったな。。。。
尾河眞樹さんとの為替対談はお互い気さくに語れる家族ぐるみのお付き合いの仲なので、分かり易くて、自分で言うのも変だけど、おすすめ。どっちのマネー誌にあるかは、買って読めば分かります(笑)。

それにしても、今週から、2014年展望原稿に追われる季節になってしまった。会う人ごとに「初スキーはいつですか」と聞かれるよ。ガーラは12月22日開場だって。そろそろシーズンロッカーに板と靴を宅配便で送る準備だ。