謎の円安加速

Page2728 謎の円安加速

2019年2月14日

米利上げ棚上げ説が語られる中で円安(ドル高)が111円近傍まで進行した。

FRBは「我慢強く見守る」姿勢で利上げには慎重だが、さすがに年内利上げ無しとまでは現時点で断定できかねる。「利上げ棚上げ」を意識し過ぎたとの反省モードが感じられる。

CMEの利上げ確率も年内1回利上げが1%台から11%に上昇している。因みに利上げ年内ゼロ回の確率は81%だ。一旦は年内利上げ無しを織り込んだものの、まだ2019年も2月。野球で言えば1回表裏終了程度の時点だ。年内何が起こるか分からない。

通貨投機筋のドル売りポジションも一旦巻き戻されている。ドルインデックスも95台からジワリと97近くまで上昇中だ。

米10年債利回りも13日には前日2.68%から2.7%へ上がった。

13日発表の1月の米消費者物価指数もコアで2.2%上昇。とりあえずFRBの目標値2%は達成している。

直近では、FRBパウエル議長、クリーブランド連銀メスター総裁、カンザスシティー連銀ジョージ総裁が相次いで「米国経済良好」のコーラスを講演で謳っている。更に、アトランタ連銀ボスティック総裁は、経済フォーラムで2019年1回の利上げを予想している。

FRBほど忍耐強くない市場は高官発言に一喜一憂して売買ポジションを変える。

なお、13日発表の米経済データで筆者の注目は、労働省労働統計局発表の「実質平均時給」統計だ。雇用統計の平均時給と異なり、物価調整済の実質賃金データである。この1月分が前月の年率1.3%から1.7%に増加した。昨年の1%以下から上げ基調にある。名目ベースでは3.2%になっている。実質平均「週給」データもあり、これは年率1.9%である。

まだ賃金インフレを語るには時期尚早だが、年内利上げ無しを語るのも早計と市場を諭すかのようなデータと見る。

市場も我慢強く見守らねばならない。

ドル高ゆえNY金は1307ドル前後まで下がり推移している。