豊島逸夫の手帖

Page1751 FOMCに潜む「金利の罠」

2014年12月18日

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そして FOMCについて ↓

今回のFOMCの注目点であった「低金利相当期間維持」の文言は残った。しかし、ハト派(緩和継続)に配慮しつつ、「利上げ開始判断は忍耐強く」とのタカ派(引き締め)的な新たな表現を盛り込んだ。初めて、利上げ開始判断について言及したこと自体が、2015年中の利上げ開始を大筋確認したと解釈されている。
その後の記者会見では、今後2回のFOMCでは利上げなし、とも明言した。したがって、2015年1月27・28日と3月17・18日のFOMCでの利上げの可能性は消えた。最短、4月28・29日ということになる。

更に、同時に発表されたFRB経済見通しの中の、FOMC参加者の利上げ予測の分布(ドット・チャート)に若干の変化が見られた。
17人の参加者の2015年末金利予測平均値が、前回の1.25-1.5%から1-1.25%に下がったのだ。
更に、2016年末の予測値も、前回の2.75-3%から2.5%へ下がっている。

総じて、ドット・チャートから読み取れることは、利上げといっても、歴史的に極めて低い水準で、しかも長期間にわたり徐々に金利があがってゆくというパターンだ。具体的には2017年までに現在の0-0.25%から3-4.5%へ段階的に引き上げることが示されている。
これだけ低水準で長期間にわたる利上げは極めて稀なケースといえる。市場へのショックを最小限に留めるための配慮であろう。
市場も素直に「利上げ恐るるに足らず」と受け止め、「利上げは経済回復の証し」と前向きに捉える方向へシフトしている。

17日のNY株式市場はダウ平均が200ドルを超す急騰を見せた。
ロシア経済不安で円高に振れていた外為市場でも、日米金利差拡大という本来のシナリオに戻り、117円前後から118円半ばまで円安に転じている。
中期的には、イエレン体制が固まってきた印象が強い。今回反対意見を表明した3名(コチャラコタ氏、プロッサー氏、フィッシャー氏)は来年勇退する。
なお、注目の原油急落の影響については、「一時的」との表現を声明文でも記者会見でも連発した。
とはいえ、コアのインフレ率まで、その物価上昇のインパクトが及ぶ可能性も否定せず、「要経過観察」とした。
ロシア経済不安の影響については、米露の貿易・金融関係が極めて薄いことを強調している。

筆者が気になることは、FOMC参加者と民間市場参加者の間で、金利予測に明確な差が見られることだ。FF金利先物を見ると、ドット・チャートに示された各年のレンジより1%前後低い水準になっている。要は、民間は、それほど金利が上がらないと見ているのだ。
ここに潜在的リスクがある。
ドット・チャートには「あくまでFOMC参加者の個人意見」との注釈がついている。従って、彼らの希望的目標値とも解釈されるのだ。
今後、原油急落が「一時的」ではなく、長期にわたる展開になった場合には、コア・インフレ率も下がり、利上げ時期が先送りになる可能性があるわけだ。
OPECとシェールオイルの問題に関しては、FRBは完全に受け身である。
しかも、欧州に加え、中国でも消費者物価上昇率が1%台まで下がり、日米欧中4地域で同時低金利現象が進行との様相だ。
記者会見で、イエレン氏は「スタグネーション(経済停滞)」説を否定したが、市場ではスタグネーションの症状の兆しも見える。
インフレ率が1%台の経済に対して、利上げの処方箋を投与したときのリスクは、症状のぶり返しであろう。
原油価格低迷は、OPECとシェールの構造的問題に起因するので、2015年も続きそうだ。その場合、利上げ開始が2016年にずれ込む可能性ありと筆者はみている。
金には追い風となろう。

さて、今日の写真は大阪出張の際に寄った「法善寺横丁」。

2021a.jpg2021b.jpgナニワ恋しぐれ、を口ずさみながら。
「なんや、そのしんきくさい顔は、酒や酒もうて来い!」
春団治のセリフを正調大阪弁で(笑)。

カラオケの十八番は「月の法善寺横丁」。
「こいさんが、わてを始めて法善寺に連れていってくれはったのは。。」
これまた正調大阪弁の練習。

ド派手な餃子の看板もナニワらしい。

2021c.jpgおりから忘年会シーズンで凄い人手の夜だった。
大阪出張といえば、北浜あたりでセミナーやって帰るだけなので、なんと道頓堀さえ行ったことなかった。グリコのネオンも初めて見た。お好み焼き食べて満足!

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