豊島逸夫の手帖

Page2708 ブレグジット迷走、史上最大の離婚協議

2019年1月16日


英国のEU離脱。メイ首相の離脱案が英議会で大差で否決。与党内からの造反議員も100名を超えた。さて、これからどうなる。

市場もブレグジットの次の一手は読めず、うっかり動けない。


マーケットが大きく反応するケースはメイ首相不信任、総選挙の結果、コービン労働党政権誕生のシナリオだろう。労働党の綱領として法人増税、鉄道郵便再国有化、エネルギー価格凍結、金融規制強化などが予想されるからだ。


とは言え、市場も本音では英国とEUがいずれ妥協の道を模索せざるを得ないと読んでいる。
EUにとって英国は例えば食品などの重要顧客だ。EU内の農家にとっては死活問題にもなりかねない。

これまでは、EU離脱連鎖を防ぐために英国の国内混乱を見せしめ的に放置してきた。建前として対英強硬発言が繰り返された。
しかし、合意なきEU離脱で英国経済が壊滅的状況に陥れば、EU経済にもダメージは避けられない。
結局、英国との対決から「名誉ある撤退」の道を水面下で模索することになろう。
そこまで読み、株式市場でブレグジット由来の売りは顕在化していない。安全通貨「円」へのマネー逃避も生じていない。


筆者は寧ろ直近のドイツ経済指標悪化の方が気になる。2018年11月の独鉱工業生産指数が前月比1.9%低下して、3か月連続の減少となった。事前予測は0.3%上昇だった。米中貿易戦争の影響が欧州にも波及している。

英国のEU離脱を問う国民投票の時には、欧州に未だ元気なドイツがいた。しかし、今やEUを支える産業大国の政治経済が揺れている。
ブレグジット混迷とドイツ経済凋落が同時進行して、その影響が共振する時、市場では株安・円高の反応が顕在化しよう。


なお、米利上げ停止観測も強まりそうだ。


金価格については、先日の日経記事でも述べたようにブレグジットには反応薄。やや下がったくらい。想定内である。


さて、稀勢の里遂に引退。
実は切符をいただいていたので、昨日さぼって(笑)、両国国技館の前列2列目で見物していたのですよ。報道各社のカメラが並ぶすぐ後ろの席。周りの観衆も皆、スマホで写真を撮ってSNSに流していました。仲間と「これがひょっとすると最後の横綱土俵入りかも。」などと冗談半分で言っていたのが、まさか本当になるとはね~~。

驚いたのは、観衆の稀勢の里への凄い応援ぶり。あれだけ負けが込みしらけているかと思いきや、判官びいきなのか日本人横綱ゆえか。あっさり土俵を割った時には、館内が一瞬シーンとなって落胆ぶりが伝わってきました。相撲協会としても、人気があるから負けが込んでも興行上ここまで引っ張ったのでしょうね。

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