豊島逸夫の手帖

Page2860 天安門再来リスクの現実味、市場も注視

2019年9月4日

香港が米中代理戦争の場と化すシナリオを絵空事と片付けられない状況に市場も身構え始めた。

レーバーデー(労働者の日)3連休を終えるとNY市場は一気に秋相場入り。注目の連休明けNY市場はダウ平均285ドル急落。外為市場ではドル高加速。ドルインデックスが99の大台に接近中だ。

安全性を求めるマネーがドル、円そして金に流入。

国際金価格も心理的節目とされる1550ドルの大台を試す展開。この水準を突破するとモメンタムは加速して超短期筋が1700ドルまで金を買い上げるシナリオが浮上する。巻き戻しも速いので逆V字型展開となりやすい。超ドル高なのに超金高という従来の「市況の法則」では考えられない展開は、逃避マネー規模が異常な水準に達していることを映す。

3日の市場変動要因としてはISM製造業指数が景況感の境目とされる50の大台を割り込み49.1まで下落した。あくまで「購買担当者」対象の調査結果だが歴史は長く信頼度は高い経済指標だ。「製造業不況」が「消費不況」に転化する可能性を市場は懸念する。

この指標悪化の最大要因は、やはり米中貿易摩擦。

3日の欧米市場では、特に香港問題がもはや対岸の火事ではなく無視できないリスクとして意識されている。

中国政府系メディアが発する「緊急事態」宣言の可能性が本格介入の連想を誘発。北戴河会議で長老たちとも十分な議論が尽くされ、習近平政権が党内基盤を固めた上で強硬路線に走る可能性が市場内でも語られる。「もはや香港問題はレッドラインを超えた」との認識が広まっている。

一方、米国内世論も中国叩きの一点では一致している。

トランプ大統領もこれまで香港問題に関して牽制的発言を繰り返してきたが、更に貿易戦争をエスカレートさせる暴走シナリオが9月市場変動要因として浮上しつつある。

米国3連休前には「休戦シナリオ」を視野に米中接近の期待感が市場には漂っていた。しかし連休中テレビ画像に流れる香港の騒乱を見せつけられ3日の市場に「期待感」は消えていた。

米中瀬戸際状況から、睨み合ったまま偶発的にクリフ(崖)を落ちる最悪のシナリオに備え、投資家のリスク減らしが目立つ。

米国では9月に入りいきなり最大級ハリケーン「ドリアン」に見舞われた。マーケットも9月大嵐直撃の予感に揺れている。

さて、今日の写真は蒸し暑さの中で酒は飲まない私がはまっている濃いミカン農園サイダー。51%ミカンの濃厚な味と炭酸のコラボに清涼感満喫のひと時。

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