豊島逸夫の手帖

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金の第一人者として知られる国際金融アナリスト豊島逸夫氏のブログを掲載します。
なお、本ブログの内容は豊島逸夫氏ご本人の個人的見解であることをご了解の上、閲覧ください。

豊島逸夫氏のプロフィール

豊島逸夫氏近影
豊島逸夫事務所代表。
1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、スイス銀行で外国為替貴金属ディーラーとして活躍。2011年9月までワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の日本代表を務める。独立後はチューリッヒやニューヨークでの豊富な相場体験と人脈をもとに、自由な立場から金市場や国際金融、マクロ経済動向について情報発信を行うとともに、“金の国内第一人者”として金投資の普及に尽力。投資の初心者にも分かりやすいトークや文章にファンも多い。得意分野はスキー系、鮨スイーツ系、温泉系。

最新記事

イスラエル、イラン核関連施設空爆、有事の金

2025年6月13日 イスラエルが遂にイラン核関連施設を攻撃した。絵に描いたような有事の金買いで、国際金価格はスポット3420ドルまで急騰。原油価格も一時6%高。 但し、有事の金買いは高値掴みのリスクがあるからご用心。まぁ、今回は中央銀行の買いなど強い買い材料が同時進行しているので、金価格の上昇トレンドは継続するであろう。 仮に有事の金買いだけであれば、プロは吹き値売り。事前に「噂」で語られた段階...
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プラチナの反撃はホンモノか  

2025年6月12日本日の3日間価格グラフはプラチナである。1270ドルまで急騰中だ。長らく900~1100ドル程度のレンジで推移してきたプラチナが上放れた。本欄で書いてきたように、筆者はプラチナに愛着があるゆえ、ハッピーなのだが解説役に回り冷静に見ると、投機主導の上げで素直に喜べる実態ではない。主因は中国の買いとされる。確かに、金に比し割安感があるプラチナジュエリーは一部の中国人富裕層に人気だ。...
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日米ともに個人消費を支える「団塊の世代」

2025年6月11日 NY市場で著名なアナリストのヤルデニ氏がトランプ関税をものともせず、旺盛な個人消費意欲を見せているのがベビーブーマー世代だと語った。日本流に言えば「団塊の世代」である。同氏は自らが同世代であり、関税で物価が上がっても消費意欲は衰えず、米国経済の下支え役になっていると述べる(米国GDPに占める個人消費の割合は7割近い)。 筆者も団塊の世代だが、確かに同年代の知り合いたちは自分の...
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ロンドン金市場の地盤沈下

2025年6月10日 金の世界でロンドンと言えば、ロスチャイルドの「黄金の間」で毎日2回行われる「gold fixing 金建値決め」が有名であった。世界中から金現物の売買注文がロンドン市場の5社に集まり、売り・買いの注文が飛び交い、当日の建値(午前1回、午後1回)が決まった古き良き時代であった。 しかし、このロンドン金市場のギルド的側面が問題視され、インターバンクの金売買に変質していった。国際金...
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「投資」を嫌う20代

2025年6月9日日経記事によると、リスクのある投資に抵抗感がある人たちが20代の若者で目立つという。金融庁によると20代のNISA口座数は287万口座と、80代以上や70代に次いで少ない。その理由を調べると「資産が減る可能性があるから」、「手続きが面倒だから」、「何を選べば良いか分からないから」、「投資へのイメージが悪いから」、「値動きを気にして疲れそうだから」などなど。そこで生命保険会社が「若...
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米中対話で、金と銀&プラチナの違いが鮮明に

2025年6月6日 昨晩は、まず中国側の発表で習近平氏とトランプ氏が電話で会議中と報道。米国側も認め、市場では重要案件として材料視された。 レアアースという切り札を握り、既にレアアース不足による自動車生産ストップの事例も出始めた折ゆえ、中国側のペースと見られた。 そこで貴金属市場では中国需要で育つ銀とプラチナが買われ、米中緊張エスカレートで育つゴールドは売られた。折から上昇中だったNY金は暫時頭を...
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出生数、初の70万人割れ、が意味すること

2025年6月5日今日の新聞トップ見出しに並ぶこの件。「縮む日本、揺らぐ経済基盤、国の想定より15年早く」筆者は「うーむ、やはり10年後のドル円は200円か」と考えてしまう。為替は長期的に見ると金利差より国が稼ぐ力で決まるからね。本欄で最近、頻繁に論じている日本国債にも影響がある。30年債などの超長期債を発行しても、買い手がつかなくなるということだ。これまでは生保や年金基金が受益者の老後まで価値を...
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井の中の蛙になるな

2025年6月4日 昨日、本ブログを書いたのが午前中。丁度NY8月もの3400ドル突破の直後であった。上の図の赤線でスポット3400ドルに接近していた時刻だ。 しかし、その後赤線の国際金価格は反落に転じ、緑線に移る。その理由が興味深い。日本時間午後12時半に日本の財務省により発表された10年利付国債入札結果が、金の国際価格に下押し圧力をかける結果になったのだ。 ブルームバーグ通信はそのJGB(日本...
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週明け、いきなり3400ドル突破

2025年6月3日 昨日午後、久しぶりにブログを書いた時はNY金3320ドル台。上の図の緑線(スポット)では3300ドルそこそこであった。それが今朝はNY金8月もので3400ドル突破。 これはさすがに解説せねばなるまい。いくつかの複合要因が共振して金価格を引き上げた。 1.トランプ氏が中国の関税関連対応が遅いと非難したことから米中関税協議とん挫の可能性。但し、ベッセント財務長官は日曜日の米CBSニ...
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サッポロ・サテライト・オフィス、インフラ強化

2025年6月2日 今年もサッポロ・サテライト・オフィスの時期になり、これまでホテルを事務所として使っていたが、今年からマンションを借りることにして、先週は3年賃貸契約・引っ越し準備などに追われた。6~9月の4か月をほぼ札幌で過ごしているが、ホテル住まいはやはり手狭で何かと制約も多い。仕事で短期帰京する時も、ホテルだとその度に予約だ、チェックインだと面倒だ。家族たちは東京に留まり、私の夏季単身赴任...
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