分かったつもりにさせない! 金融・投資用語 AtoZ Vol.3 | 2018.02.27
知っておきたい!ETFと投資信託の違いとは!?
金融・投資用語AtoZ
“ETF(上場投資信託)[前編]”
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GOLD PRESS 編集部

GOLD PRESS Editors

 投資に興味はあるけれど、
 難解な用語が多くて……
 という方。

 まずは「ETF」と「投資信託」の
 違いを知りましょう。
 ふたつとも人気の商品なのですから。

ここ数年、日本の個人投資家の間で米国株式の人気が高まりつつあります。その背景には10年に及ぶ米国市場の好景気があります。ただ、わたしたちが想像しているような「米国株式ブーム」とは少し様子が違っているかもしれません。

「米国株式が人気」と聞くと、例えばアップルやアマゾンのような人気の株式を購入し、価値が上昇したら売却して利益を得られるから、などと考えてしまいますよね。つまり、「キャピタルゲイン」(購入額と売却額の差による収益)を得るための売買です。

でも、いま人気を集めているのは、こうした手法とは異なります。これを理解するためのキーワードは「ETF(Exchange Traded Fund)」=「上場投資信託」です。前編ではETFとはなにかを紹介し、後編ではなぜ日本で米国ETFが流行しているのか、その背景と上場投資信託全般について説明します。

 

ETFとは?

ETFは「投資信託」の一形態です。投資信託は、投資家から資金を預かった運用会社が株式や債券などさまざまな金融商品に投資して、その成果を投資家に分配する金融商品です。

投資信託も金融商品ですから、当然メリットとデメリットがあります。メリットという点では、自分で投資先を見極めるのではなく、プロが判断して運用する安心感があります。また、大勢の投資家からお金を集めるので運用資金が高額になり、スケールメリットを働かせやすいという点も見逃せません。そうした大規模な投資活動に少額で参加できるのもメリットのひとつです。

他方で、投資信託を販売する証券会社に購入手数料を支払ったり、投資活動を代行する運用会社にも手数料(信託報酬と呼ばれます)を支払ったりしなければいけません。こうした経費は投資信託で得られる運用益を上回る場合もあり、結果的に割高な金融商品になっているというケースも少なくないのです。


※図表をクリックすると拡大画像が表示されます

さて、話をETFに戻しましょう。ETFは投資信託の一形態ですが、ETFも「指数連動型上場投資信託(インデックスファンド)」と、「それ以外の上場投資信託」にわけることができます。

いま人気を呼んでいるのは、前者の指数連動型上場投資信託(インデックスファンド)です。ここから先の「ETF」は、すべてこれを指していると考えてください。

ETFは、日経平均株価など、特定の指数(index)に連動するようにつくられた金融商品です。これをもって「指数連動型」なのですね。さらに、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場していることから株式と同じように取引できるため、「上場投資信託」と呼ばれています。

連動するのは株価指数だけではありません。英国のポンドや中国の元のような外国為替や、金(ゴールド)のような商品の価格に連動するETFも存在します。また、上場先が東証や大証のような国内市場であれば「国内籍ETF」、海外市場のETFであれば「外国籍ETF」と呼ばれています。

最後にETFの特徴をまとめます。後編では米国ETFが注目を集める理由に加え、さまざまなETFを解説します。

まとめ

1 “ETFはさまざまな指数に連動した金融商品”
2 “東証などに上場しており、株式と同じように取引できる”
3 “金(ゴールド)の価格や外貨に連動するETFもある”

文: 冨田秀継
Words: Hidetsugu Tomita

イラスト: ニッパシヨシミツ
Illustration: Yoshimitsu Nippashi

インフォグラフィック: 金田介寿
Infographics: Kaiju Kanada

キャラクターイラスト: キムラみのる
Character Illustration: Minoru Kimura