さて、お金とはなんでしょう。
私たちは、ある年齢に達すると、アルバイトや仕事をし、その報酬としてお金を得るようになります。それは大抵どんな人でも同じでしょう。
そのお金は、ある意味、自分で稼いだお金ですから、どんなふうに使おうと自由です。「ほしいものを買おう」。使いみちとしては、ほとんどの人はこう思うでしょう。なぜなら、お金を得るまでの子ども時代に、お金を自由に使えなくて、ほしいものをずっと我慢してきたからです。
ですから、はじめての給料日に、「何を買おうかな」と思うのはとても自然なことなのです。
では、お金とは、ほしいものを買うためのものなのでしょうか。違いますね。
私たちは、お金とは何か、ということを、子どもの頃から学ばずして、いつの間にか、いくばくかのお金を得る年齢になり、それを自由に使ってもよいという大人になります。
大人になってからは、さらに仕事という人生を歩むようになり、どんなふうにしたら、より多くのお金を得ることができるのかを学ぶようになります。しかし、どうでしょう。お金の使い方を学ぶ機会というのは、ありそうで無いのです。使い方に関しては、言うなれば、ぶっつけ本番なのです。そうやって失敗を繰り返す中で、使い方なり、扱い方、動かし方を学んでいくのではないでしょうか。
お金がほしいものを買うためのものでなければ、それは一体なんでしょう。
私たちが生活をするためのもの。生きていくために必要なもの。あると安心なもの、などなど。やっといろいろと思いつきますね。
お金のことを考えると、「お金持ち」と「貧乏」という言葉がついてまわります。どちらが良くて、どちらが良くないということではなく、ほとんどの人が「お金持ち」になりたいと思うのは当然です。しかし、誰もが「お金持ち」にはなれるのかというと、そうではありません。それはなぜでしょう。
私は「お金持ち」「貧乏」という言葉がどうしても好きにはなれません。それは人生の勝ち負けを分けるような表現であり、だいいち人生とは、勝ち負けというような競争ではないと思うからです。
ですから、それに代わる言葉として、「お金と仲良しな人」「お金と仲良しになれていない人」という言葉を使っています。
さて、あなたは今、「お金と仲良しな人」「お金と仲良しになれていない人」。このふたつのどちらでしょうか。
「お金と仲良しな人」は、もっともっと仲良くなるために。「お金と仲良しになれていない人」は、これから、いや、今すぐにでも、お金と仲良くなるために、どうしたら良いかを一緒に考えていきましょう。
大切なのは、今よりもっとお金持ちになりたいというのではなく、今よりももっとお金と仲良くなりたいと思えるかどうかです。お金について知りたいと思えるかどうかです。
「お金と仲良しな人」とは、どんな人でしょうか。その学びは、今からでも決して遅くはありません。
学校では決して教わることのない、お金と仲良くなるための学び。さあ、スタートです。
松浦弥太郎