みなさま、こんにちは。お元気でしょうか。
「一年というのは経つのがほんとうに早いなあ……。」なんて、つぶやくこの頃。
思うに、年々、時間の過ぎていく速さが、増しているように思えて仕方がありません。みなさんはいかがでしょうか。
そもそも、私たちが感じる時間の速さとは何でしょう。
ひとつはテクノロジーの進化によって、たとえば、これまで一時間かかっていたことが、10分で済むようになった。あるひとつの情報を得るには、多少のお金と時間が必要だったけれど、今では一瞬で得ることができるようになった、などなど、時間をかけたり、苦労したり、我慢していたりしたことが、様々な進化のおかげで解消されました。時間という名のいろいろな「消費」が減り、その分、もうひとつの時間という名の「生産」を求められるようになったのが現代社会なのです。
そこで思うのが、時間の速さとは、実は速度ではなく、「消費」と「生産」の粒度の変化なのです。粗い粒から細かな粒になったり、そのバランスというように。
便利なおかげで「消費」が減った分、私たちは一日にこなせる、仕事なり用事という「生産」が増えて、もっと早く、もっと多く、もっと正しく、という、言わば機械的な成果を求められる時代を迎えているのです。
簡単に言えば、私たちの時間とは、もっと「生産」をするために、いつしか忙しく、いつしか速くというように、バランスの変化だけでなく、まさに粒度がどんどんと細かくなっているのです。
さて、そんな状況の中で、これからの社会はどうなるのでしょう。どんなふうに生きていったら良いのでしょう。そんな不安が募って仕方がありません。
自分や家族の未来は安心なのだろうか。進化がもたらすのは、一見、便利なことばかりですが、知らず知らずに増える不安ばかりです。
そこで私たちに必要なのは、不安に備えた新しい生き方。よく言われるようにリスクヘッジが必要なのです。しかも、自分らしく。
今回は、おすすめしたい備えのお話をしましょう。A面B面という生き方です。
たとえば、そこそこ安定している正社員としての面をA面としましょう。安定していますが、粒度が細かくて、求められることが年齢とともに辛くなりますね。先程書いたように、さらなる「生産」が求められる社会ですから。
五十歳を過ぎるとポジションは、余程の才能が無い限り、現場から外され、収入も下降するでしょうし、あとは残された雇用期間を細々と過ごすというパターンがイメージできます。もちろん、それが一般的ですので、否定するつもりはありません。
しかし、万が一、会社が倒産したり、リストラにあったりした場合の備えはいかがでしょう。ストレスで体調を壊してしまうことだってあり得ます。
ここで言う備えというのは金銭的な蓄えや、何かしらの保証だけでなく、それからの人生をどう生きていくのかという生きる術です。
そこで、もうひとつのB面という粒度が粗い生き方の出番です。
私の友人(四十歳)にこんな方がいます。A面は、ある上場企業の正社員です。中間管理職で収入は安定していますが、求められる仕事が辛くなってきて、ストレスを抱えて、体調を崩してしまいました。しかし、彼にはB面があったのです。長年の趣味の釣りが高じて、日々書き綴ったブログと、釣りの様子を記録した動画配信が人気を得て、知る人ぞ知る釣り名人として有名だったのです。有料によるブログと、動画配信のアフィリエイトによる収入もしっかりとありました。
友人は笑ってこう言います。「万が一、会社がだめになっても、僕には釣りがあるからなんとか生きていける。やろうと思えば、釣りのほうで結構稼げると思うし……」と。
この話を聞いてこんなふうに思いました。これからの時代は、いわゆるA面だけではなく、B面を充実させて生きていくことが、何かあった時の最高の備えになるのではないかと。その逆もありで、A面を充実させて、B面をコツコツと、でも良いでしょう。
どんなことでも良いので、もう一方の面で、人一倍楽しくて、人一倍詳しい世界を持っておく。で、とりあえず本業である面は細々と続けつつ、もうひとつの面で人生を謳歌する、というように。
そう考えてみて、さて、自分にとってのA面はなんでしょう。B面はなんでしょう。もし、ひとつの面しかなかったら、もうひとつの面を作っていきませんか? きっとそれがこれからの未来を生きていくための新しい備えではないかと思うのです。生き方も二段構えでいきましょう!
投資についても同様だと気づきました。安全で保守的な面での投資いろいろと、積極的な面での投資いろいろ、というような仕組みがあると、なんだか楽しそうです。当然リスクヘッジも効いていますし、きっとふたつの面での学びは大きいだろうなあと。まさに理想的なポートフォリオですね。
最後に一言、時間が経つのは早いのですが、それは常に結果論であって、価値のあることを生み出すプロセスには、たっぷりと時間をかけるべき。急がないのが鉄則です。
それではまた。