みなさま、こんにちは。
いかがお過ごしでしょうか。コロナ禍によって、仕事と暮らしが様々なかたちに変化し、これからどうなるのだろう?と不安が募る方も多いと思います。
なんとかなるさ。という前向きな気持ちも大事ですが、それとて、こんなに厳しい状況が長く続くと、思わずため息をついてしまう今日この頃です。
何事も問題解決には「現状把握」が大切です。ということで、日本経済は一体どうなっているのか。まずはそのことについて考えてみましょう。
さて、日本は今、豊かなのでしょうか。それとも貧しいのでしょうか。あなたはどう答えますか?
株価がこれほど上がっているから豊かである。なんて短絡的に考えてはいけません。今の株価上昇については、国家と中央銀行が生み出しているもので、市場経済とは乖離した現象です。
意外と知られていないことは、日本においてはコロナ感染者が増えれば増えるほど株価はどんどん上がるということです。なぜなら、感染を抑えるために緊急事態宣言が発令されれば、当然ながら経済は止まり、不況になりますね。そうしたら国家は私たちの暮らしを支えるために補正予算を組み、様々な補償を行います。そのお金はどこからやってくるのでしょう。中央銀行がお金を印刷して供給するのです。いわゆる量的緩和ということです。
株価を下げないために国家と中央銀行が緩和をし、コロナバブルを起こしているのが、今の株価上昇の理由です。とは言え、中央銀行もお金のなる木を持っているわけではありませんから、そのうち限界がやってきます。いずれインフレが起きるとも言われています。このことから考えると、日本は今、見栄を張って豊かなフリをしているけれど、実は貧しさにあえいでいるというのが現状なのです。
コロナ前のインバウンド景気を思い出してみましょう。なぜ海外からあれほどの観光客が日本に押し寄せていたのか。その理由は日本ではなんでも安いからです。自分の国で買い物したり、遊んだりするよりも、日本の方が安くてお得なのです。所得についても、家賃についても、食事についても、あれもこれも外国では経済の成長とともに値段が上昇し、いつの間にか日本は経済面で外国に追い抜かれてしまったのです。
30年前と今、大卒初任給は変わっていません。 GDPは2003年以降マイナスであることも忘れてはいけません。「現状把握」ということで述べますが、日本の債務残高は、国際通貨基金の調査国188か国の中で188位。なんと最下位なのです。
どうしてこうなってしまったのか。理由は簡単です。収入よりも支出が増えた。これは私たち個人のお金のやりくりと一緒です。では、支出を減らせばいいと誰もが考えますが、そうもいかないのが、これまた現状で、その一因はコロナによる補償もそうですが、高齢化による社会保障が大きいのです。
ということで、このように決して楽観視できない現状をよく把握した上で、さて、私たちはどうしたら良いのでしょう。
純金や株式への投資といった資産形成も良いでしょう。また、インデックスファンドという投資信託も世界的に流行っていますね。しかし、その前にぜひおすすめしたいこと。それは改めて自分のバランスシートを作ってみることです。バランスシートは貸借対照表のことで、資産を左、負債を右に配置します。
まずは、資産表を作って自分の資産を見える化しましょう。資産とは現金や商品券、純金といった実物資産、株式、投資信託、貯蓄型の保険などです。たとえば、価値のある美術品や土地、家、車も意味としては資産ですが、運用する資産とは別物ですのでここではあえて記載しません。
これらを月に一度、表に書き出すだけです。毎月合計額は変わるので、その推移を把握すれば、これからの自分を守るために何をしたらいいかが良く分かりますね。
続いては、負債を見える化しましょう。負債とはローンや借金の残高のことです。先に述べた資産と負債が揃ったら、自分が今、どんな資産をどれだけ持っていて、負債がいくらなのか。そして、資産から負債を引いた純資産がどれだけあるのかが分かります。これによって、資金面における自分の健康診断が可能になるのです。当たり前ですが、純資産が多く、負債が少ない。これが理想です。もし、あまりにも負債の方が多かったら、治療が必要ですね。
バランスシートは家計の健全度を計算するのにも役に立ちますから、「現状把握」のためにぜひ作ってみることをおすすめします。
それではまた。