20215

28

ESSAY

新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)が長期化しています。日本では4月に菅義偉首相が訪米した際のファイザー社との交渉により、9月までには全人口分のワクチンが確保できる見込みです。接種の進んだ米国や英国に比べると“周回遅れ”の感は否めません。とは言え、ワクチン接種が進むにつれウイルスへの恐怖感は薄れてきますし、失われた日常が戻れば日本でも米国でも外出自粛でマグマのように溜まった需要が溢...
20211

28

ESSAY

2021年1月20日、米国ではジョー・バイデン新政権が発足しました。熾烈を極めた大統領選の結果、政権交代が確実になったのを受けて、金価格はいったん下落したものの、その後反発しています。では、バイデン政権下の4年間で金価格はどう動いていくのでしょうか。結論から言うと、筆者はさらに上昇するのではないかと見ています。強気の理由はふたつあって、ひとつがバイデン政権の「経済政策」、そしてもうひとつが「増税」...
202010

29

ESSAY

8月末、米国のカリスマ投資家ウォーレン・バフェット氏率いる世界最大の投資会社バークシャー・ハサウェイ(以下、BH)が、日本の5大総合商社の株式を1年以上かけて、それぞれ発行済み株式数の5%超取得していたことが明らかになり、商社株が急騰しました。バフェット氏と言えば、気に入った銘柄は20年以上保有するなど、超長期投資の実践者として知られ、抜群の実績も残しています。個人投資家のみならずプロの間にも信奉...
20208

28

ESSAY

新型コロナウイルス禍によるニューノーマル(新しい日常)下のマーケットで投資初心者の参入が急拡大しています。代表的な存在が米国の「ロビンフッター(Robinhooter)」と呼ばれる個人投資家たちです。米国では日本の特別定額給付金(10万円)に相当する一律給付金が大人1人につき最大1200ドル支払われ、コロナ対策の失業手当は7月末まで週600ドル加算されています。米国民の中にはこうした給付金のおかげ...
20206

29

ESSAY

前回は“コロナ終息後”の日本経済を予測しましたが、あれから1か月が経ち、その間に発表された経済指標などで、コロナ不況の深刻さが浮き彫りになりました。2008年のリーマンショック時と大きく違うのは、新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込めるために、世界中でヒトやモノの流れが寸断されてしまったことです。こうした経済活動の停止により、各国で新たな危機的状況が生じています。2020年5月に集中した日本の3月...
20205

28

ESSAY

前回は新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)による“人類の危機”に際して、安全通貨としての金の価値が再認識されているという話をしました。実際、国際スポット価格はイースター休暇明けに1トロイオンス=1729ドルまで急騰しました。1700ドル超えは、もはや“バブル”の領域です。日本では2020年4月16日、特別措置法に基づく緊急事態宣言の適用が全都道府県へと拡大。4月20日には米国ニューヨーク...
20204

28

ESSAY

いつ、どんなことが起こるか分からないのが金融の世界。それを痛感したのが、新型コロナウイルスの感染拡大によって引き起こされた金融危機(コロナショック)です。2020年2月上旬までは米国のニューヨーク(NY)株式市場ではダウ工業株30種平均が連日、史上最高値を更新していました。それが、一気にトランプ大統領就任時の水準まで急落したのです。どれだけの人が、わずか1か月半後にこのような事態が出来することを想...
20203

30

ESSAY

経済が安定的に成長し株価が好調な時、投資対象として選好されるのは株式です。しかし、有事が起きたり、経済の先行きが不透明になったりすると、投資家は安全資産の金にお金を移します。こうした市況の法則からすると、株式と金の値動きは「逆相関関係」にあり、株価が上がれば金価格は下がることになります。しかし、(新型コロナウイルス問題が起きる前の話ですが)2019年後半から2020年年初にかけ、米国ニューヨークダ...
20201

30

ESSAY

前回の記事では、活況を呈す金のリサイクルの話題を取り上げました。金は腐食しないので、有史以来採掘された分は、地上のどこかに何らかの形で残っています。こうした“地上在庫”はオリンピックサイズ・プールの約4杯分あると言われ、金価格が上がると、家庭でタンスの肥やしになっていた金が一気に市場に還流してきます。リーマンショックやギリシャ危機で金価格が1オンス=2000ドル近くまで上昇した時、リサイクルは年間...
201912

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ESSAY

先日、テレビのワイドショーに出演し、「あなたの家に眠っている“お宝金製品”が高く売れるかもしれませんよ。」という話をしました。後で聞いたのですが、番組放映時から各地の貴金属店では問い合わせの電話が鳴りっぱなしだったそうです。女性向けのジュエリーをはじめとして、家庭内の金製品もしくは金と思しき製品は意外と多く、視聴者の皆さんは「うちにもある!」、「お小遣い稼ぎができるかも!」と考えたのでしょう。思い...
201911

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ESSAY

金はなぜ“資産防衛”に有効なのか

豊島 逸夫
Itsuo Toshima
2019年の金価格の歴史的上昇の背景にあるのは、世界中で日替わりメニューのごとく有事が勃発して投資マネーが安全資産である金に流れ込んでいること、そして、マイナス金利で「利息を生まない=ゼロ金利」の金がハイイールド(高利回り)の運用先とまで言われて選好されるという珍現象が起きていることだと、前回お話しました。そこで今回は、こうした先行き不透明な時代の“資産防衛策”としての金について解説したいと思いま...