20232

27

ESSAY

前回のこのコラムで「長期化する円安」に個人ができる唯一の対策とは?というお話しをした後、円は1ドル=120円台まで値を戻しました。一方で国内でもインフレが進み、2023年1月の東京都区部の消費者物価上昇率は4.3%(速報値生鮮食品を除く)と41年8か月ぶりの高水準を記録しています。個人投資家向けのセミナーでは「歴史的円安は終わり、円高に戻るのでしょうか?」や「4月に日本銀行の総裁が変わってもインフ...
202211

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ESSAY

輸出型企業が多い日本では長期に亘り「日本製品が売れなくなる円高こそ日本経済のアキレス腱」と考えられてきました。しかし2022年にドル円相場が円高から円安へと我々プロも驚くような180度の転換を遂げた結果、今度は日本経済にとってハッピーだったはずの円安に戸惑う人が増えています。「安い日本」を目指して世界中からインバウンド客が押し寄せているのに対し、海外へ出張や旅行に出かけた日本人からは「あまりの物価...
20228

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ESSAY

最近のセミナーで圧倒的に多い質問が「今の高値で金を買っても大丈夫でしょうか?」というものです。確かに今年に入って国内金小売価格は円安の影響もあって史上最高値圏で推移していますから、個人投資家の皆さんが躊躇するのも無理はありません。この質問に対し筆者は質問者のバックグラウンドに応じて、次のように答えています。まず、金投資の初心者には「飲み会を1回我慢する代わりに3000円や5000円で純金積立をして...
20225

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ESSAY

2022年は円建ての国内金小売価格が初めて1g=8000円の大台を突破して、その後も次々と史上最高値を更新する展開となり、NHKのトップニュースで扱われるほど世の中の関心を集めています。背景には米国を始めとする世界的なインフレの中で「インフレヘッジの金」が買われ、さらにロシアによるウクライナ侵攻を受けて、「有事に強い安全資産としての金」が買われている状況があります。とは言え、ニューヨークの金先物価...
20222

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ESSAY

2022年4月から高齢者への国の年金支給額が0.4%引き下げられます。コロナ禍で年金保険料を納める現役世代の収入が減ったことが大きな理由ですが、2年連続のマイナス改定に「今後も年金は減少し続けるのかしら」と不安を覚えた人も少なくないでしょう。読者の皆さんの最大の関心事は「今加入している年金だけで自分の老後は大丈夫なのか」ということに尽きるかと思います。このテーマについては、筆者もパネルディスカッシ...
202111

29

ESSAY

国際経済の分野で目下最大の懸念は、中国から2008年のリーマンショック級の世界的な金融不安が引き起こるのではないかという問題です。現在、中国の経済は世界トップの米国と肩を並べるくらいまで拡大しています。しかも米国は“成熟した経済”ですが、中国は“今まさに成長している経済”ですから、中国がコケたら世界中の市場で株式が暴落するような事態になりかねません。日本も上場企業の3~4割が影響を受けることになる...
20218

30

ESSAY

2021年の春以降、我々市場関係者がコロナの動向とともに注視しているのが、米国を中心に起きているインフレです。インフレとは簡単に言うなら物価が上がり過ぎることで、実際、米国の消費者物価指数(CPI)は、この5月以降5%台で推移しています。インフレは世界的な広がりを見せており、日本でも一部の物価が上昇し始めています。昭和期のバブルを経験していない30代以下の世代は、5%の物価上昇と聞いてもピンとこな...
20215

28

ESSAY

新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)が長期化しています。日本では4月に菅義偉首相が訪米した際のファイザー社との交渉により、9月までには全人口分のワクチンが確保できる見込みです。接種の進んだ米国や英国に比べると“周回遅れ”の感は否めません。とは言え、ワクチン接種が進むにつれウイルスへの恐怖感は薄れてきますし、失われた日常が戻れば日本でも米国でも外出自粛でマグマのように溜まった需要が溢...
20211

28

ESSAY

2021年1月20日、米国ではジョー・バイデン新政権が発足しました。熾烈を極めた大統領選の結果、政権交代が確実になったのを受けて、金価格はいったん下落したものの、その後反発しています。では、バイデン政権下の4年間で金価格はどう動いていくのでしょうか。結論から言うと、筆者はさらに上昇するのではないかと見ています。強気の理由はふたつあって、ひとつがバイデン政権の「経済政策」、そしてもうひとつが「増税」...
202010

29

ESSAY

8月末、米国のカリスマ投資家ウォーレン・バフェット氏率いる世界最大の投資会社バークシャー・ハサウェイ(以下、BH)が、日本の5大総合商社の株式を1年以上かけて、それぞれ発行済み株式数の5%超取得していたことが明らかになり、商社株が急騰しました。バフェット氏と言えば、気に入った銘柄は20年以上保有するなど、超長期投資の実践者として知られ、抜群の実績も残しています。個人投資家のみならずプロの間にも信奉...
20208

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ESSAY

新型コロナウイルス禍によるニューノーマル(新しい日常)下のマーケットで投資初心者の参入が急拡大しています。代表的な存在が米国の「ロビンフッター(Robinhooter)」と呼ばれる個人投資家たちです。米国では日本の特別定額給付金(10万円)に相当する一律給付金が大人1人につき最大1200ドル支払われ、コロナ対策の失業手当は7月末まで週600ドル加算されています。米国民の中にはこうした給付金のおかげ...
20206

29

ESSAY

前回は“コロナ終息後”の日本経済を予測しましたが、あれから1か月が経ち、その間に発表された経済指標などで、コロナ不況の深刻さが浮き彫りになりました。2008年のリーマンショック時と大きく違うのは、新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込めるために、世界中でヒトやモノの流れが寸断されてしまったことです。こうした経済活動の停止により、各国で新たな危機的状況が生じています。2020年5月に集中した日本の3月...
20205

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ESSAY

前回は新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)による“人類の危機”に際して、安全通貨としての金の価値が再認識されているという話をしました。実際、国際スポット価格はイースター休暇明けに1トロイオンス=1729ドルまで急騰しました。1700ドル超えは、もはや“バブル”の領域です。日本では2020年4月16日、特別措置法に基づく緊急事態宣言の適用が全都道府県へと拡大。4月20日には米国ニューヨーク...
20204

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ESSAY

いつ、どんなことが起こるか分からないのが金融の世界。それを痛感したのが、新型コロナウイルスの感染拡大によって引き起こされた金融危機(コロナショック)です。2020年2月上旬までは米国のニューヨーク(NY)株式市場ではダウ工業株30種平均が連日、史上最高値を更新していました。それが、一気にトランプ大統領就任時の水準まで急落したのです。どれだけの人が、わずか1か月半後にこのような事態が出来することを想...
20203

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ESSAY

経済が安定的に成長し株価が好調な時、投資対象として選好されるのは株式です。しかし、有事が起きたり、経済の先行きが不透明になったりすると、投資家は安全資産の金にお金を移します。こうした市況の法則からすると、株式と金の値動きは「逆相関関係」にあり、株価が上がれば金価格は下がることになります。しかし、(新型コロナウイルス問題が起きる前の話ですが)2019年後半から2020年年初にかけ、米国ニューヨークダ...