実物資産とは具体的に何を指すのでしょうか?また、実物資産と金融資産への投資にはどのような違いがあるのでしょうか?今回はその違いについてご紹介します。
実物資産とは土地・建物・貴金属など、形があるもので、それ自体に価値があるもののことを言います。これに対し、現金や株式などの有価証券のことを金融資産と言います。
実物資産には不動産や原油、大豆やトウモロコシなどの穀物、アルミや銅などの非鉄金属も含まれますが、一般的に個人が実物資産へ投資するには主に以下の方法があります。
いずれの場合も値上がり後に売却して利益を得ることができますが、土地やマンション、アパートの場合は売却以外にも賃料で利益を得る方法もあります。
個人が金融資産へ投資する場合、主に以下の方法があります。
株式やETF(上場投資信託)は値上がり後に売却して利益を得ることができます。
外国通貨の場合も同様に、購入した通貨の価値が高くなった時点で売却すれば利益を得ることができます。例えば1ドルが100円の時にドルを購入し、120円の時点で売却すれば20円が利益となります。
FXはこの為替取引を元金以上の金額で行うことで、元金の10倍以上の金額を取引することが可能です。そのため、大きな利益を得ることもできますが、リスクも大きくなってしまいます。
実物資産と金融資産への投資においての大きな違いは、実物資産は現物が存在するということです。一方、株式や有価証券などは会社が倒産すれば価値は無くなってしまう可能性がとても高くなりますが、土地や貴金属は大きく値を下げたとしてもその価値は無価値になることがありません。
また、価格の変動も比較的穏やかな傾向があります。近年は金融危機や世界情勢の変化により、株式や為替が激しく変動します。しかし、実物資産は歴史的に見ても金融危機や世界情勢の変化に強い傾向が見られることから、投資に有効な安全資産と言えるでしょう。
リスクが低いと思われがちな実物資産ですが、リスクが全く無いとは言えません。不動産の場合は、火災や地震など、自然災害による損失の危険性がありますし、金・プラチナ・銀などの貴金属は盗難の危険性もあります。
しかし、これは万一の場合であり不動産の場合は保険に入ることでリスクを回避できますし、金・プラチナ・銀などの貴金属は純金積立の場合は信用できる運営会社の選択や、現物購入の場合は銀行の貸金庫に預けるなどで盗難のリスクを回避することができます。特に近年では株価や為替が大きく変動する状況も度々起こることから、安全資産としての実物資産への投資は注目を集めているのです。
次回は、さまざまな実物資産への投資から、何に投資するのが良いのかをそれぞれの特徴からご紹介します。