豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖

金の第一人者として知られる国際金融アナリスト豊島逸夫氏のブログを掲載します。
なお、本ブログの内容は豊島逸夫氏ご本人の個人的見解であることをご了解の上、閲覧ください。

豊島逸夫氏のプロフィール

豊島逸夫氏近影
豊島逸夫事務所代表。
1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、スイス銀行で外国為替貴金属ディーラーとして活躍。2011年9月までワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の日本代表を務める。独立後はチューリッヒやニューヨークでの豊富な相場体験と人脈をもとに、自由な立場から金市場や国際金融、マクロ経済動向について情報発信を行うとともに、“金の国内第一人者”として金投資の普及に尽力。投資の初心者にも分かりやすいトークや文章にファンも多い。得意分野はスキー系、鮨スイーツ系、温泉系。

最新記事

プラチナ爆上げ止まらず

2025年12月23日 これはKITCOプラチナ60日グラフだが、いかに12月中旬以降プラチナ価格(スポット)が1600ドル台から直近2100ドル超えまで暴騰したかを物語る。 投機主導だが、当面下がる気配は感じられない。確かにEUがエンジン車規制を撤回したことはプラチナにとって大きなニュースだし、中国広州の取引所でプラチナが上場されたことも中国人投資家には興味深い出来事であろう。 そもそもプラチナ...
  • 続きを読む

クリスマスも休まぬ投機筋、貴金属高値追い継続

2025年12月22日 週明けのアジア時間帯で、金はNY先物で4400ドル突破。ロコロンドン(KITCOグラフ緑線)でも4400ドル接近(日本時間昼)。しかも日銀利上げで円安157円。 ベネズエラ情勢悪化という新たな地政学的リスクを囃しているが、連戦連勝の投機的勢い(モメンタム)に歯止めがかからない。 更に、シルバーは70ドル接近。プラチナは2100ドル超え(いずれもNY先物)。 今週はクリスマス...
  • 続きを読む

円長期金利2%のレッドライン超え

2025年12月19日 国内債券市場で長期金利がついに節目(レッドライン)の2%を突破した。2006年5月以来のことだ。 今や海外投資家の存在感が増しており、彼らの投機的売買で日本国債が揺さぶられる局面が増えそうだ。 積極財政を掲げる高市政権のもとでの財政悪化懸念が強まる中で、日銀が追加利上げを決めたことが背景要因として指摘される。要は日本国の信用が問われているわけだ。 外為市場では日銀が利上げし...
  • 続きを読む

貴金属サンタクロース・ラリー

2025年12月18日 年末、この時期に及んで金・銀・プラチナ同時進行で急騰中だ。1年価格グラフで金、プラチナ、銀を並べてみた。 金 プラチナ 銀 このように比較すると、市場の大きなゴールドはジワリ価格水準を切り上げている。横綱相撲だ。対照的にプラチナとシルバーはここにきて暴騰とも言える上げっぷり。市場規模が小さいだけに値動きも荒い。 昨日の共通の上げ理由として3つ挙げられる。まず、米国AI株バブ...
  • 続きを読む

雇用統計で金は底堅く、白金は続騰

2025年12月17日 金価格グラフ(緑線) 注目の雇用統計は10月分の一部と11月分が同時発表という異例の展開であったが、11月の失業率が4.6%と悪化。雇用者数は10月が105000人の「減少」(政府機関閉鎖で公務員が雇用数から外れたため)。11月は64000人増加だが、パウエル議長自ら雇用統計の数は水増しされていると記者会見で認めていた。結局、米労働市場の後退が鮮明となり、利下げが正当化され...
  • 続きを読む

白金急騰

2025年12月16日 プラチナがどさくさに紛れて1グラム1万円超え。貴金属セクターで上げ遅れていたが、セクターローテーションで順番が回ってきた感じ。プラチナのジェフとしては嬉しいね(↓)。 (私のThe Best!)プラチナに詰まった誇り 経済アナリスト・豊島逸夫さんhttps://www.asahi.com/articles/DA3S16238455.html?msockid=086ebe87...
  • 続きを読む

来年の下げ材料を探すとすれば

2025年12月15日 ほぼ全員が来年の金予測は強気。そこで、へそ曲がりの筆者は(笑)、敢えて下げ要因を求める。そだね、まぁドル高かな。 米景気が存外に良ければ、良いドル金利上昇で金には売り圧力。米インフレが粘着質であれば、中間選挙を意識してトランプ大統領も利下げばかりを強いてはおれまい。ジワリ、金上昇にブレーキをかける程度の話だが。...
  • 続きを読む

雇用者数、実質減、金急騰

2025年12月12日 労働市場悪化を受け、NY金4300ドル乗せ、昨晩はNY金がNY銀を主導した。上げの理由が米労働市場悪化というマクロ経済要因であったからだ。 まず、FOMCでパウエル議長は雇用統計の新規雇用者数が過大に発表されていることを記者会見において実数で示した。記者会見発言の書き起こしによれば、FRBの事務方は月次の雇用者数を6万人多く計上していたと語っている。実数では毎月2万人「減っ...
  • 続きを読む

FOMC後、金、銀、続騰

2025年12月11日 今回のFOMCでは、パウエル議長が利下げは決行するが、慎重な言い回しで労働市場とインフレの相対する二つのリスクに言及すると思われていた。「そう簡単に利下げはしないよ」とのトランプ大統領への意地も見え隠れした。 ところが、蓋を開けてみれば事前想定よりあっさり利下げ決定を語った。利下げ反対者も3名。FOMC内部亀裂が露わである。結局決め手となったのが、FOMCの実質的No.2で...
  • 続きを読む

FOMC初日、銀とプラチナが急騰

2025年12月10日 フライング気味の値動きである。今回のFOMCでも利下げが見込まれる中、いち早く利下げに反応するかのように銀が60ドルの大台を突破。プラチナも1700ドル台。 需給面で品薄感が続く中、利下げは産業需要にプラス効果があるというのが買い方(=投機筋)の見方。投機筋としたのは、市場規模が金に比し小さいため値動きが軽いからだ。 金も4200ドル台まで上がったが、急騰と言えるほど派手で...
  • 続きを読む