豊島逸夫の手帖

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金の第一人者として知られる国際金融アナリスト豊島逸夫氏のブログを掲載します。
なお、本ブログの内容は豊島逸夫氏ご本人の個人的見解であることをご了解の上、閲覧ください。

豊島逸夫氏のプロフィール

豊島逸夫氏近影
豊島逸夫事務所代表。
1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、スイス銀行で外国為替貴金属ディーラーとして活躍。2011年9月までワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の日本代表を務める。独立後はチューリッヒやニューヨークでの豊富な相場体験と人脈をもとに、自由な立場から金市場や国際金融、マクロ経済動向について情報発信を行うとともに、“金の国内第一人者”として金投資の普及に尽力。投資の初心者にも分かりやすいトークや文章にファンも多い。得意分野はスキー系、鮨スイーツ系、温泉系。

最新記事

不気味なFOMC、利下げ織り込む市場の関心は議事録に

2025年9月17日いよいよ明日早朝にFOMC終了、そしてFRB議長記者会見となる。金価格も「利下げ」をテコに上がってきた経緯もあり、大いに気になるビッグイベントだ。今日は中級者向けに以下にポイントをまとめた。「FOMC劇場、9月の幕」が俄かにドラマチックな展開となりつつある。直前に「生出演」が決まったミラン新理事と渦中のクック理事の両名が、パウエル議長とどのような議論を交わすのか。もはや、既に利...
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熱気なき日経平均、熱気ムンムンの金、連日の最高値

2025年9月16日連休明け、いきなり日経平均45000円突破。ほぼ同時刻に、国内金価格も最高値更新。国内政治が混沌にも関わらず、日経平均が高値でも買われる現象については、市場内でも「バブルか否か」賛否両論。株式アナリストの予測を上回る上げっぷり。基本的に海外勢のCTAと呼ばれる超短期運用ヘッジファンドが牽引している相場ゆえ、日本の理屈は当てはまらない。マクロの視点では、コロナ救済を含め巨額のマネ...
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金曜のアジア時間帯で金が反発

2025年9月12日NY金が3700ドルという当面の目標値を達成後、ここ2日ほどは利益確定売りが出始めて、さすがの金急騰も一服状態であった。それが本日アジア時間帯に入り、KITCOグラフ(こちらはロコロンドン現物価格)の緑線で示されるように国際金価格が反発中だ。特に大きな材料が出たわけではない。週末にトランプ氏が何か書き込み、週明けに金上昇が再開されるリスクを嫌い、ポジション調整の買いが出たに過ぎ...
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ゴールドでモノが買える時代が来るか

2025年9月11日本欄でステーブルコインについて説明したが、金(ゴールド)を裏付けにしたステーブルコインという発想が出てきた。ステーブルコインと金仮想通貨化された金。ブロックチェーンという確かなテクノロジーを用いて、ネット上の「帳簿」に金の売買記録を残すわけだ。裏付けが現物の金ゆえ、ハイブリッド型の金仮想通貨とでも言えようか。このメリットはネット環境があれば、デパートやコンビニでモノを買えるよう...
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今、なぜ、日経平均、最高値更新なの?

2025年9月10日結論から言えば、今日本株を買いまくっているのは外国人投資家たち。それも短期投機的なファンドが殆どだ。日本人投資家の多くはこれから首相が決まるという不透明な時期に、まともに株など買えない。そもそも兜町の売買の7割が外国人という事実は全く変わっていない。海外勢から見れば、米国株が不安だから他国の株に分散投資中だ。そのひとつが日本株というわけ。与党と野党が協力して、財政バラマキしてく...
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米国経済、スタグフレーション顕在化

2025年9月9日 昨日発表されたNY連銀サーベイで、雇用の悪化が確認された。まず失職すると、次に新たな職にありつける確率が44.9%。これは前月比で5.8%減。更に2013年以来、最悪の数字だ。振り返れば、2021~22年には労働者の楽観ムードが支配的で、毎月450万人が気楽に離職していた。その数が今や320万人。労働者は、今の職に留まろうと必死だ。企業側は新規雇用を増やすことに消極的である。 ...
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石破首相退陣、日本経済の将来を真剣に考えるべし

2025年9月8日 次期自民党総裁が高市氏になろうが小泉氏になろうが、野党との協力関係は維持され、減税・給付金などのバラマキ財政になろう。株式市場はバラマキ大歓迎で日経平均急騰中。でも、海外勢は日本株と距離を置き、日本株買いに同調してこないであろう。更に、外為市場と債券市場は将来の日本財政破綻を懸念して、日本国債が売られ、円も売られ、所謂「日本売り」の様相だ。 金価格は国内では円安効果で上昇。そも...
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ベッセント財務長官の本音、日米合意の舞台裏

2025年9月5日トランプ関税乱発が大統領の越権行為と訴えられ、一審も二審も支持した後、最高裁に持ち込まれたことは既に書いた。ここで問題は、最高裁もトランプ色が強いとは言え、決定に時間がかかるということ。来年に持ち越される可能性もあり、トランプ氏もイライラ気味。トランプ組の若頭とも言えるベッセント財務長官も、米国財政の司令塔としてやきもき。関税収入を膨張した財政赤字の穴埋めに当て込んでいた。仮に、...
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プラチナも銀も「連れ高」

2025年9月4日 今日は金・銀・プラチナのKITCO1年価格グラフを並べた。 金が歴史的上昇を演じている間に、同じ貴金属セクターでは銀もプラチナも「連れ高」となっている。 銀もプラチナも「安全資産」ではない。金はマネーの側面があるが、銀やプラチナは産業用貴金属だ。 教科書的に言うと、景気が良くなれば、銀やプラチナの需要は増え、価格は上昇。対して、景気減速が懸念されれば、安全資産として金が買われ...
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歴史的大相場、舞台は、なんと米最高裁へ

2025年9月3日 ドラマチックな大相場になってきた。 国際金価格はロコロンドン3535ドル。NY先物(12月限)はなんと3604ドル(本稿執筆時、午前10時)。 昨日の続騰には新たな理由がある。トランプ大統領の相互関税など関税連発は大統領の権限を越えた行為で、憲法違反との判決が一審に続き二審でも支持され、トランプ政権側は上訴して最高裁に持ち込むことに。違憲が確定すれば、これまでに徴収された関税は...
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