豊島逸夫の手帖

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金の第一人者として知られる国際金融アナリスト豊島逸夫氏のブログを掲載します。
なお、本ブログの内容は豊島逸夫氏ご本人の個人的見解であることをご了解の上、閲覧ください。

豊島逸夫氏のプロフィール

豊島逸夫氏近影
豊島逸夫事務所代表。
1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、スイス銀行で外国為替貴金属ディーラーとして活躍。2011年9月までワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の日本代表を務める。独立後はチューリッヒやニューヨークでの豊富な相場体験と人脈をもとに、自由な立場から金市場や国際金融、マクロ経済動向について情報発信を行うとともに、“金の国内第一人者”として金投資の普及に尽力。投資の初心者にも分かりやすいトークや文章にファンも多い。得意分野はスキー系、鮨スイーツ系、温泉系。

最新記事

日米関税合意、NY市場で評価、金急落

2025年7月24日 昨日、アジア時間帯で日米関税合意が発表された時は、国際金価格が僅かに下落した程度であったが、NY時間に入るや「米国の重要同盟国との画期的関税合意」と囃され、NY株は急騰。金は一転急落という成り行きになった。昨日の本欄で「勿論、利益確定売りの波で一転、下値模索になり、再び3500ドルの大台から突き離されるリスクもある。そうなると今年の高値は3500ドルという結果にもなりかねない...
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NY金、ゴールデンクロス視野に投機買い加速

2025年7月23日 今日はかなり専門的な話になるよ。国際金価格が3400ドル台で上げ加速中だ(緑線)。理由として、ブルームバーグ通信は8月1日に迫るトランプ関税不安(日本は今朝一応合意したが)を挙げている。 しかし、昨晩筆者がNY投機筋たち(モメンタムトレーダーと呼ばれる)と直接話したところでは、チャートでゴールデンクロスの可能性が意識され、投機的に買いが加速しているというのが実態である。理由な...
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与党惨敗、市場の評価は与党善戦で株高・円高

2025年7月22日この程度の選挙結果に、海外市場は慣れているということか。少なくとも、首相は変わらずということが評価されたのか。欧米メディアの報道を見ても、専ら「世界的ポピュリスト政党乱立の動き、日本でも」、「日本人の外国人排斥傾向強まる」との論調ばかり。日本国内の認識とはかなりの差を感じる。減税・給付金など、ばら撒き財政も既に日本は財政規律が先進国最悪のレッテルを貼られているので、今更驚かない...
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投機マネーが方向転換

2025年7月18日 金価格のアタマがさすがに重くなり、これまで金を買ってきた投機マネー集団がプラチナとシルバー市場に移行している。シルバーは40ドル視野、プラチナは1500ドル視野。この間に、特に買いを誘発するようなイベントもなく、需給が短期的に激変したわけでもない。シルバー、プラチナを長期保有する気はなく、ただただ短期的な売買差益が欲しいだけだ。金高騰とシルバー、プラチナ高騰の違いは中央銀行セ...
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パウエル解任報道で、金市場も大荒れ

2025年7月17日 7月14日付け本欄「ベルサイユ宮殿並みの改修、パウエル外しの口実に」にて、トランプ大統領がパウエルFRB議長を解任する動きが、金融市場に混乱を起こす可能性に言及した。 それが昨晩、現実にNY市場で起きてしまった。 現地メディアが「いよいよパウエル解任に動く」と報道され、NY市場が大混乱に陥ったのだ。金市場の例外ではなかった。グラフの緑線が大きく上に下に振れている部分が、その問...
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WGCが年後半、強気説と弱気説、異例の両論併記

2025年7月16日 元WGC日韓地域代表の筆者が驚いた。基本的に販売促進機関であるWGCが、年後半の金価格見通しについてかなり慎重な表現でレポートを発表したからだ。おそらく社内で弱気説も台頭しているのだろうと推察する。その弱気説に反論する形で、強気説を述べている。例えば、地政学的リスクがエスカレートすれば、金価格は更に上昇するなどの表現で強気論を語っている。なお、ETF残高減や中銀買い減の可能性...
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参院選挙、海外投資家も注目

2025年7月15日 普段は日本の選挙など全く気にしない海外勢が、今回に限っては色々電話で聞いてくる。与党敗北なら日本株は売り、円も売りと見込んでいるようだ。「日本は毎年総理大臣が代わる国」と言われた時代もあったが、その後「日本は政治的には与党支配による安定国」とされてきた。その前提が怪しくなってきているので、今後の展開を見守っているのだ。筆者は選挙予測など自分の畑ではないので、新聞報道などを伝え...
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ベルサイユ宮殿並みの改修、パウエル外しの口実に

2025年7月14日 今日はトランプ政権がパウエルFRB議長に利下げを強要する中で、FRB本部ビル改修計画が派手過ぎるとの批判を煽っている件。 週末恒例の米テレビ局討論番組で、パウエルFRB議長更迭問題が取り上げられ、次期候補者と見られる人物たちの発言が物議を醸している。まず、本命視されているウォーシュ元FRB理事がFOXテレビに出演。FRB本部改修が「屋上庭園などベルサイユ宮殿を想起」と批判され...
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金ETF「神話」に一石

2025年7月10日 世界の金ETF残高が4~6月に397トン増え、3616トンに達した。世界の年間金生産量が奇しくも3661トン。金ETFだけで年間金生産量に相当する量を買い占めているわけだ。4~6月397トンという量も最大生産国である中国の年間生産量380トンに匹敵する。 金ETFが金投資家層の幅を広げ、金高騰に資したことは間違いない。但し、このような記録的な金ETF残高の伸びが今後も続くわけ...
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こんな時代もあった、2005年の話

2025年7月8日 アーカイブを整理していたら、このような原稿が見つかった。国際金価格が500ドル攻防を演じていた2005年のことだ。 以下引用 本稿執筆時点(12月16日朝9時)、498ドルまで急降下が続いている。今朝は、東京先物金市場において、緊急顧客救出作戦が繰りひろげられているのだ。連日のストップ安で、高値で買った挙句、売り戻したくても売れない顧客がひしめいている。彼らの売り注文を、今朝、...
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